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【就労不能】病気やケガで働けなくなったときのためにどのように備えれば良いのか?

病気になったときや大きなケガをしたときの不安に「入院や治療の費用」があります。

それ以外にも不安を感じることが多いのは「仕事ができないことで収入がなくなる」ということです。


生命保険文化センターの調査データによると世帯主が就労不能(働けない状態)になった場合の現在の経済的備えについて「不安」「非常に不安」と回答した人が全体の74.6%にのぼりました。

生命保険文化センター:2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査」
https://www.jili.or.jp/files/research/zenkokujittai/pdf/r3/p133-179.pdf
「生活保障に対する考え方」P44(P176))


このようなリスクや不安を保障するのが「就業不能保険」です。

今回は就業不能(働けない状態)における保障について詳しくお伝えします。


■就業不能保険はどんな保険?

就業不能保険とは、その名の通り病気やケガが原因で長期に渡って働くことができなくなることに備える保険です。

「働くことができない」という状態がどういったものなのか、以下の4つの基準が設けられています。

【4つの基準】
①病気やケガの治療を目的として入院をしている
②医師の指示に基づいて自宅などで在宅療養している
 ※公的医療保険制度の医科診療報酬点数表にある
 在宅患者診療・指導料が算定されていることなどの条件があります。
③障害等級1級または2級に認定されている
 ※国民年金法施行令で定められた障害等級
④その他、保険の約款の特定障害状態に該当している


また、『就労不能保険』とよく似た言葉の保険に『収入保障保険』があります。

しかし、この二つは保障の内容がまったく違います。

『就労不能保険』は先に書いたとおりケガや病気が原因で働けなくなった場合の保障です。一方『収入保障保険』は加入者が死亡した場合に定期的に決められた金額を決められた期間給付される保障です。

つまり、
『就労不能保険』は、ご自身とご家族の生活を支えるための保険。
『収入保障保険』は、遺されたご家族の生活を支えるための保険です。


■公的保険における就業不能の保障

就業不能にたいする公的な保障のひとつが『傷病手当金』です。
傷病手当金は厚生年金に加入中であることが条件となります。

これは、連続して4日以上会社を休んだ場合、最長で1年6ヶ月の間、給与の3分の2が給付されるものです。

給付には以下の4つの条件があります。
①業務外の病気やケガによる休業
→業務内の場合は労災保険の対象となります。
②終業できないこことが証明できる医師の診断がある
③4日以上終業できない
④休業した期間の給与の支払いがない

自営業者など国民健康保険の方は『傷病手当金』を受給することができません。

もうひとつの公的な保障が『障害年金』です。

『障害年金』には『障害基礎年金』と『障害厚生年金』があります。

『障害基礎年金』は国民年金および厚生年金に加入している方が対象です。
ケガや病気が原因で障害等級表1級・2級の障害の状態にある場合支給されます。

『障害厚生年金』
厚生年金に加入している場合、上記基礎年金に上乗せされるものです。

厚生年金に加入している会社員や公務員などの場合
『傷病手当金』+『障害基礎年金』+『障害厚生年金』という保障を受けられる可能性があります。しかし、『傷病手当金』はこれまでの給与よりも低くなり最長で1年6ヶ月であるため不安は残るかもしれません。

国民年金に加入している自営業者などの場合は『障害基礎年金』のみとなるため、
会社員・公務員に比べて、働けなくなったときのリスクが高くなります。


■就労不能保険で備えられること

自営業者などは『傷病手当金』がないため働けないことでの収入の減少が生活に大きく影響します。

また、会社員の場合は『傷病手当金』で働けない期間も収入の2/3を受け取ることができます。
しかし、従来の収入よりも低くなり、入院や治療で費用が必要になります。

また、『傷病手当金』の給付には期限があるため、長期での治療や障害が残った場合は『傷病手当金』の期限後の不安が残ります。

世帯主が働けない状態となった場合に家族の生活費や住宅ローンなどの支払いに必要だと考える生活資金は、平均で月額27.2万円というデータがあります。
(生命保険文化センター:2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査」
https://www.jili.or.jp/files/research/zenkokujittai/pdf/r3/p133-179.pdf
「生活保障に対する考え方」P43(P175))

これらのような働けない状態になった場合のご自身とご家族の経済的なリスクに備えるのが就労不能保険です。


■就労不能保険を選ぶときのチェックポイント

就労不能保険には、いくつかの給付条件があります。
保険選びの際にきちんとチェックしておくことで、いざというときでも安心して活用することができます。

①免責期間
就労不能保険には免責期間が設けられている場合があります。
免責期間が30日だった場合、働けなくなった日から30日間は給付金を受け取れません。一般的に免責期間が長いほど支払う保険料が安くなっています。

②給付の条件
「働けない」状態であっても、特定の病気は対象外というケースもあります。うつ病などの精神疾患が支払いの対象外となるものもあります。また、障害年金1・2級という条件がついているケースもあります。


■就労不能保険の選び方

まずは、公的な保障を確認しましょう。
社会保険の方は『傷病手当金』がありますが、国民健康保険の方は『傷病手当金』がありません。

また『障害年金』の金額にも差があります。
働けなくなった場合に公的な保障がどれくらい受けられるのかを確認しておくことで、ご自身にどれくらいの保障が必要なのかを検討できます。

次に、現在の収入と支出から月々どのくらいの金額が必要になるかを計算しましょう。このとき、食費等の生活費や住宅ローンの返済にくわえてお子様の成長などによって必要な費用が変動することも念頭に置いておくと良いでしょう。

月々必要な金額から公的な保障額を引いた額が生活費の不足金額の目安になります。

「不足する目安の金額」「就労不能保険の給付条件等」「現在の収入から支払うことができる保険料」などを加味して最適な保険を選択してください。


■まとめ

今回はケガや病気が原因で働けなくなったとき、ご自身とご家族の生活を守るための備えである就労不能保険についてお伝えしました。

ケガや病気で働けなくなったとき、家族の生活を守りながら治療に専念するためにもとても重要な保険です。

しかし、ライフプランに合った保険を選ぶのはなかなか大変です。
どんな保険が良いのか迷ったときやご不明な点がある場合は、お気軽に担当者にご相談ください。