全ての人間の問題を解決することこそが「デザイン」である
デザインといわれると、何となくアートのようなものを思い浮かべる人が多いでしょう。「洗練されたデザイン」などど聞くと、やはりセンスの賜物だと感じるはずです。
しかし、デザインとアートはイコールではありません。アートのような奇抜なデザインをする場合もありますが、デザインの本質はそれではありません。奇抜でないシンプルなデザインも立派なデザインです。
では、デザインとは何なのでしょうか?一言で言うと、「全ての人間の問題を解決するのがデザイン」なのです。
デザインはみんなの困りごとを丸く収める
基本的にデザインは、顧客の問題を解決すべく行います。例えば、売り上げが伸び悩んでいるお菓子のパッケージの新装や家具の設計などですね。これらをどうデザインで解決するかがデザイナーの腕の見せ所です。
もちろん奇抜なデザインでアピールするのも良いですが、無印良品のようなミニマルなデザインで設計しても良いでしょう。奇抜なデザインが目立ちがちですが、ミニマルなデザインも立派なデザインの一種なのです。
この時一番大事なのは、「全ての人間の問題が解決できているか?」です。派手で使いにくいデザインだと知名度が上がって広報に喜ばれるかもしれませんが、ユーザーから苦情が来て売り上げが下がるでしょう。一方、使いやすくてもカッコよくないとそもそも売れません。
企業やユーザー全てを丸く収めるのが、デザイナーの仕事なのです。顧客目線が抜けても、企業の目線が抜けてもダメなのです。
デザインの成功例
皆の課題をいかにうまい方法で解決するかがデザイナーの真髄です。例えば、ウォークマンに劣る性能をオシャレさをアピールすることで大人気にした「iPod」や、派手なパッケージまみれだったガム業界において清潔感を出すことで逆に目立たせることに成功した「AQUO」がいい例です。
デザインとは、個性的であることが全てではないのです。実はその裏に隠れた「課題解決力」こそがデザインの本質だったのです。デザイナーと聞くと、胡散臭さがあるかもしれませんが、実は現状の技術をいかにうまく使って課題を解決するかを考え続けているエキスパートなのです。日本は他国に比べてデザインという業界が小さいように感じますが、課題解決力は今後も不可欠な能力です。今後世の中の職種が減るといわれていますが、デザイナーは伸び続ける業界の一つになりうるのではないでしょうか?
参考:ネンドノカンド 佐藤オオキ
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