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そりゃ、廃刊するよね

■5月30日(火)
唖然としたのを覚えている。「週刊朝日」が休刊になるということではなく、最終号である「休刊特別増大号」の中味を覗いたときだ。

発売当日、いつものコンビニに立ち寄ったら最終号はとっくに売り切れていて、めぼしい場所を巡ったがついに入手には至らず。仕方なくAmazonで購入することにした。
中味を見るだけなら、いつも使っている雑誌読み放題のサービスでも充分にいいのだが、単に紙媒体で手元に置いておきたかったのだ。

ブツが配達されるまでのあいだ、読み放題サービスでチラと記事を覗いてみた。村上春樹のロングインタビューがあると聞いたからだ。

「週刊朝日」で村上春樹のインタビュー記事といったら、もう「村上朝日堂」しかないだろうと、個人的にこの期待感は、正直彼の最新長編出版より高かった。

しかしフタを開けてみたらどうだ、「村上春樹が語った 60~70年代、音楽、若者へのメッセージ」と題して語られたのは、自身がエフエム東京でオンエアしている「『村上RADIOレーベル』から熱狂ライブ限定盤を発売」という、ほぼ宣伝に等しいインタビューだった。少なくとも、わたしはそう理解している。

そして、「週刊朝日」と村上春樹との接点である「村上朝日堂」については、p.27の欄外にチョコッと掲載されているだけだ。

「村上朝日堂」は1985~86年と95~96年に掲載された本誌の名物エッセー。挿絵はイラストレーターの安西水丸さん。(後略)

〈裏切り〉という言葉までは使わないが、これにはほんとうにがっかりした。いったい、なんための〈ロングインタビュー〉なのか。
単純に問う、「休刊特別増大号という〈大一番〉で、なにゆえにこの記事を載せなければならなかったのか。

こんなインタビュー記事を載せる編集部も編集部だが、しゃべる村上春樹も村上春樹だろう。よりによって〈休刊特別増大号〉でこのザマである。池澤夏樹は冒頭の寄稿文で「『週刊朝日』には品位があった」と言ったが、その言葉が泣けてくる。
吉永小百合は「トップが悪いんでしょ」と言ってのけたが、ほんとうに上だけのせいなんだろうか。
そりゃ、廃刊するよね。

はい、お疲れ様でした

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