実写版「ぼくのなつやすみ」

朝の散歩で小道を歩いていると、前から自転車に乗った小学校低学年くらいの男の子がこちらに向かってくる。ぼんやり見ていると、男の子が楽しそうな顔をしていることに気付く。何か持っているようだ。

あ、虫網だ！！！

虫網はうまく自転車と手に固定されていた。自転車の前カゴには、虫籠もばっちり入っている。
男の子は鼻歌を歌いながら通り過ぎて行った。

夏休みだ…！私はやっと気付いた。
まるでゲームから出てきた主人公のように見えた。

自分が小学生に戻ったような気分になったが、男の子の頭に正しく装着されたヘルメットだけが、今は令和だと教えてくれた。