商品売買の仕訳~分記法と三分法~
商品売買とはなんでしょうか?
品売買とは,商品を直接買ってきて,相手先に売ることを言います。
このとき,そのまま売るために買ってくるものを「商品」と言います。
商品売買の会計処理には,「三分法」と「分記法」があります。
分記法は商品勘定と商品売買益勘定を用いる方法です。
三分法は仕入勘定,売上勘定,繰越商品勘定を用いる方法です。
商品売買の仕訳~分記法と三分法~
この記事は,以下のMEDITAXの講義内容を転載したものです。
MEDITAXの講義の方が見やすいので,ぜひ御覧ください。
また,この講義内容は,以下のyoutube動画でも解説しています。
さるじー博士>今回は商品売買について学ぶぞい。
商品売買ってなんだろう?
・商品=そのまま売るために買ってくるもの
・商品売買=商品を買って相手に売ること
果物屋さんであるさるじー商店は,毎日市場に行ってミカンを買ってくる。
買ってきたみかんは店頭に並べて,お客さんに買ってもらうことでもうけが出る。
さるじー商店のミカンのように,そのまま売るために買ってくるもののことを「商品」と言う。
また,商品を買って直接相手先に売ることを「商品売買」と言う。
さるじー博士>商品売買は,本業の取引だから,とっても大切なんじゃ。
分記法と三分法
商品売買には,次の2つの処理方法がある。
・分記法=商品勘定と商品売買益勘定を用いる方法
・三分法=仕入勘定,売上勘定,繰越商品勘定を用いる方法
資格試験でも実務でも,主に三分法を用いるため,優先的に覚えると良い。
さるじー博士>どちらの方法を用いるか指示がないときは,三分法で処理するぞい。
三分法による仕入
さるじー商店で,商品であるミカンを売るために買ってくることを「仕入」といい「商品を仕入れる」のように言う。
仕入=商品を買うこと
三分法を採用するさるじー商店では,商品であるミカンを現金4,000円で仕入れた。この場合には,次のような仕訳を切る。
仕入 4,000 / 現金 4,000
これを,前の講義で説明した仕訳のコツの手順で書きだしたのが下の図。
分記法による仕入
分記法を採用するさるじー商店では,商品であるミカンを現金4,000円で仕入れた。この場合には,次のような仕訳を切る。
商品 4,000 / 現金 4,000
これを,前の講義で説明した仕訳のコツの手順で書きだしたのが下の図。
さるじー博士>三分法では借方に「仕入」という費用勘定を使うが,分記法では「商品」という資産勘定を直接増やすんじゃ。
三分法による売上
売上=商品をお客さんに売ること
三分法を採用するさるじー商店では,商品であるミカンを現金7,000円で売り上げた。この場合には,次のような仕訳を切る。
現金 7,000 / 売上 7,000
前の講義で説明した仕訳のコツの手順で書きだしたのが下の図。
分記法による売上
分記法を採用するさるじー商店では,4,000円で仕入れた商品であるミカンを現金7,000円で売り上げた。この場合には,次のような仕訳を切る。
前の講義で説明した仕訳のコツの手順で書きだしたのが下の図。
売掛金・買掛金
・掛取引=商品の売買を後払いにする取引のこと
・売掛金=売上に関する掛代金のこと
・買掛金=仕入に関する掛代金のこと
さるじー商店では,お得意先にはみかんの販売代金を後払いにして,翌月にまとめて受け取る。
このように,商品の売買に関する後払いを「掛取引」という。
また,売上に関する掛代金を「売掛金」,仕入に関する掛代金を「買掛金」と言う。
掛取引は,それぞれ次の図ような仕訳を切る。
クレジット売掛金
クレジットカードで商品を売り上げた場合には,販売代金から販売手数料が引かれた金額を後日受け取る。
例えば,さるじー商店がミカン800円をクレジットで売り上げ,販売手数料が40円差し引かれる場合には,次のような仕訳を切る。
さるじー博士>②では,B/S項目が変動しないから,さるじー商店では仕訳は切らないぞい。
返品・返金
返品・返金があったときは,販売したときや仕入れたときと貸借が反対の仕訳を切る。
例えば,さるじー商店の取引として,次の場合を考える。
・販売したみかん500円のうち100円分が返品された。
・仕入れたみかん200円のうち50円分を返金した。
仕入諸掛
・仕入諸掛(しいれしょがかり)=商品を仕入れるときにかかった費用
さるじー商店は,ミカン300円を仕入れ,代金は掛けとした。
また,ミカン引取り時に当店負担の引取運賃20円を現金で支払った。
さるじー博士>仕入諸掛は仕入勘定に含めて処理するんじゃ。
売上諸掛
・売上諸掛=商品を売上げるときにかかった費用
・発送費=売上諸掛に関する勘定科目
さるじー商店は,商品であるミカン600円を売上げ,代金は掛けとした。
また,ミカン売上時に当社負担の発送運賃50円を現金で支払った。
この場合には,次のような仕訳を切る。
さるじー博士>売上諸掛は発送費勘定などで処理するんじゃ。
おしまい
さるじー博士>今回の講義はここまでじゃ。
ブラウ兄>これで,毎日の商品売買の取引は完璧だモン!さるじー商店では,果物いっぱい売れてるモン?
さるじー博士>それが,なかなか売れないんじゃ…
ブラウ兄>あわわ…世知辛い世の中だモンね…
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