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パッケージを通して、デザイナーとクライアントの理想の関係を考える


デザインの仕事をしていると、「この人たちと一緒にやれて良かった」と思える関係が築ける瞬間があります。そんな関係性を象徴するのが、私が長年デザインを担当させていただいている静岡のお茶を手がける「白瀧製茶」さんです。今回は、白瀧製茶さんとの挑戦の日々を通して感じた、デザイナーとクライアントの理想的なパートナーシップについてお話しします。


試行錯誤の先に見えた信頼のカタチ

勘違いされがちですが、デザインは一発で完璧なものを作る仕事ではありません。時には仮説を立て、修正し、また次に進む。その繰り返しの中で、「こうしたらもっと良くなる」「この方向性が売上に結びつく」という道筋が見えてきます。

※デザインのこのプロセスが現在「デザイン思考」と呼ばれているものを生み出しました。

白瀧製茶さんとの仕事もまさにそうでした。パッケージデザインをいくつも試行錯誤しながら一緒に挑戦していく中で、売上に貢献できた実績が積み重なり、信頼を得ることができました。そのおかげで、今では大胆な提案にも耳を傾けていただける関係性になりました。


思い切り挑戦できる安心感

最近手がけた新作「白瀧錦聖」のパッケージでは、銀箔鹿のモチーフを取り入れました。このデザインは、「凛とした中にも温かさを感じる和の世界観」をテーマに、白瀧製茶さんの最高級のお茶にふさわしいイメージを追求したものです。

白瀧さんは質実剛健なお茶のメーカーさんなのでこういった世界観のあるグラフィックデザインはあまりやらないのですが、今回振り切っています。

なぜここまで思い切った提案ができるのか。それは、クライアントとデザイナーお互いの信頼を少しずつ育んできたからだと思います。そしてそれ以上に、「もし売上が振るわなかったら作り直す」という約束を、私自身が心に決めているからです。幸い、これまで作り直しになったことはありませんが、この覚悟があるからこそ、挑戦できるデザインが生まれるのだと思います。

読者へのメッセージ:デザイナーとの関係を育てるには?

この記事を読んでいる皆さんが、デザイナーに依頼を考えているとしたら、一つ覚えておいてほしいことがあります。それは、短期的な付き合いの中で的確な依頼をすることよりも不器用でも地道に信頼を育てることが、良いデザインの近道になるということです。

最初はお互いに手探りかもしれません。それでも、デザイナーと一緒に試行錯誤を繰り返し、「売上」や「成果」という形で実績を積み重ねていく。その過程で生まれる信頼は、次のプロジェクトでより大きな挑戦を可能にしてくれます。

デザインとは、結果を求めるだけでなく、その過程を楽しむものでもあります。だからこそ、デザイナーに依頼するときには、少しだけ長い目で付き合ってみてください。きっと、あなたの期待以上の成果が待っているはずです。それが数字となって帰って来るでしょう。

最後に:白瀧製茶の新作パッケージを通じて

白瀧製茶さんと一緒に挑戦し続けた結果、「白瀧錦聖」のパッケージが完成しました。このパッケージがお茶の奥深い魅力を伝え、手に取る人々に特別な体験をもたらしてくれることを願っています。

もしこの記事を読んで、「自分もデザインを頼みたい!」と思っていただけたら、ぜひお声掛けください。私はどこへでも飛んで行きます。そして、一緒に新しい挑戦を始めましょう。


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