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個別株積み立てのすゝめ

これまで考え方や一般論を中心に書いてきましたが、今回は具体的に何をすればいいのかというお話です。
貯金が少しずつ増え、運用に興味はあるがリスクを感じてまだ踏み切れていない。そんな方はぜひ読んでみてください。知識があって、既に自分で個別株を売買している方は読み飛ばしてください。


Q. 株式投資の勉強を少しずつでも始めてみようと思いますか?
 「いいえ」→ 1. へ
 「はい」 → 3. へ


1. 株式の知識はビジネスのあらゆる局面で役立ちます。株式投資の勉強、始めてみましょうよ。
 「いや、だからやらへんって言ってるやろ」→ 2. へ
 「うーん、じゃあ少しだけやってみようかな」 → 3. へ


2. どうしても株式投資に時間を割きたくない方へ

本業が忙しい等の理由で株式投資に時間を割きたくないという方は、どの教科書にも書いてある通り、インデックス投信を積み立てましょう。パッシブファンドというやつです。

インデックス=指数。日本株で言えば日経平均やTOPIX、米株で言えばダウやS&Pという株式指数に値段が連動する投資信託です。
日本(あるいは米国)の株式全体を少しずつ保有するわけです。インターネットで投信を売買できるところに口座を作って、毎月、あるいは四半期ごとに決まった額を買い増していきましょう。30%損失を受けても何とかなるくらいの金額で積み立てるのが良いと思います。銀行のオンラインサービスでも買えますが、ネット証券に口座を作った方が選択肢がずっと多いのでおすすめです。

このとき、いくつか注意点があります。

・手数料を払い過ぎないこと!
最も重要なポイントです。投資で失敗する人の多くは手数料を払い過ぎています。投資信託の場合、「買付手数料」「信託報酬」「信託財産留保額」「解約手数料」等の手数料が発生します。

買付手数料   なし
信託報酬    安いものは0.2%前後、最大でも1.0%までに抑える
信託財産留保額 なし
解約手数料   なし

この基準に該当する投資信託を買いましょう。ぼったくりとも言える手数料を取る投資信託はたくさんあります。必ず確認してください。

・為替ヘッジは絶対にしないこと!
海外の株式に投資する投信には、「為替ヘッジあり」「為替ヘッジなし」の2種類があります。円高になっても損をしないのが前者、損をするのが後者。こう書くと前者の方が良い気がしますが、為替ヘッジにはかなりのコストがかかります。上の4つの手数料とは別に、高いコストを払うことになるのです。

海外の商品を買う場合は為替ヘッジなし。どうしても為替リスクが怖ければ、国内の株式投信を買いましょう。

長期保有すれば、日本株より米株の方が儲かると思います。ただ、今の1ドル111円という為替レートだと円が安すぎるとも思います。為替で少々マイナスになってもそれを上回る米株の伸びに賭けるのか、為替リスクは取らずに日本株でいくのか、正直難しいところです。お好きな方で。

・ボーナスが増えたからと言って買う金額を増やさないこと!
毎月でも毎四半期でも構いません。毎回同じ金額を買ってください。
昇給したりボーナスが増えたりすると、つい多めに積み立ててしまいます。これは知識のある人でもやりがちな失敗です。
あなたの給料が増えたときは、世の中の人の給料も増えていることが多いのです。景気が良いとき(=株が上がっているとき)に多く買って、景気が悪いとき(=株が下がっているとき)に少なく買う、という最悪のオペレーションになってしまいます。

給料が増えた原因が、自分個人のスキルアップによるものなのか、それとも景気によるものなのか。しっかり見極めたうえで、後者なら積み立て額を増やしてはいけません。


3. 株式投資の勉強を始めてみようという方へ

個別株を始めましょう!
1銘柄に全額資金を投入すればリスクは高くなりますが、しっかり分散すればリスクも抑えられます。
私がおすすめするのは個別株積み立てです。

・まず、Aという会社の株を10万円分買います。
・3ヶ月経ったら、Aとは違う業種のB株を10万円分買います。
・また3ヶ月経ったら、AともBとも違う業種のC株を10万円分買います。
・(繰り返し)
・どうしても過去に買った銘柄を買い増したくなったら2回までOKだが、できるだけ違う銘柄を。

このように、四半期ごとに新しい株を買うのです。購入金額はご自身の懐事情で調節してください。30%損失を受けても何とかなるくらいの金額で。


【個別株積み立てのメリット】

・信託報酬がかからない!
投資信託と違って、個別株は保有していてもコストがかかりません。売買手数料はかかりますが、ネット証券なら0.1%未満です。
持っているだけで手数料を取られるなんて、あぁもったいないもったいない…

・株式投資の知識が身に付く!
ただインデックス投信を積み立てる場合に比べ、圧倒的に多く株式投資の知識が身に付きます。いろんな業界のことが見えてくるでしょうし、世の中の仕組みや流れも見えてくるはずです。もしかすると、投資収益よりもずっと大きなものが得られるかもしれません。
保有銘柄が20を越える頃にはきっと株式投資の知識が十分に身に付いて、ルールに縛られず自由に売り買いしたくなっているはずです。そうなればもうこの積み立ては卒業です。

・日経平均を上回る運用を目指せる!
四半期ごとに銘柄を1つずつ選んでいけば、5年後には自分の思いの詰まった15-20銘柄のポートフォリオが出来上がっているはずです。
分散が効いているので、日経平均と変わらないリスクに抑えられているにも関わらず、日経平均を上回るパフォーマンスを期待できます。
全ての銘柄が日経平均を上回るパフォーマンスを上げるのは難しいと思いますが、それだけじっくり選んだ銘柄の平均が日経平均を上回ればいいのです。また、自分が選ばなかった業種のパフォーマンスが日経平均を下回ればいいのです。何かいけそうな気がしませんか?


では、どうやって良い株を選ぶのか。
それは………長くなるのでまた次回。


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