【おすすめ歴史小説】チンギス紀から学ぶ
COVID19による自粛期間、暇をもてあそばせていたため、前から読みたかった歴史小説を読書していました。
チンギス紀 著:北方謙三
今から800年ほど前、舞台はモンゴル、中央アジアです。
氏族が乱立し、争いが絶えないモンゴル草原にて、主人公であるテムジンが一族をまとめ、モンゴル統一を目指しているのが、2020年6月現在発売されている第七巻までのあらすじです。
テムジンはやがてモンゴル帝国を築き、中央アジア、東欧までを征服するチンギス・カンとして有名です。
徐々に氏族をまとめ規模を大きくするストーリー、草原を駆ける騎馬や、800年前のアジアが脳裏に浮かぶ繊細な描写がとても魅力的ですが、その物語中でも、現在にも通じる考え方を教えてくれます。
①仕組み(プラットフォーム)を創り出すことの重要性
舞台はモンゴルの大草原、多くの氏族が羊の数を増やし、また金国(現在の中国)といった大国と交易をすることで、勢力を拡大していました。
その中で、テムジンは交易を展開するよりも、自らモンゴルで鉄山を発掘し、武器や陶器を自家生産することに尽力しました。
他のモンゴル草原の氏族が交易で大国の顔色をうかがう中、武器の自家生産する『仕組み』を創ったことが契機となり、兵団の規模は小さくとも、大国に引けを取らない軍を整備していきました。
②Connecting dotsがすべてやで
テムジンは幼少期、金の大同府で妓楼の主人の付き人をしていた経緯があります。そのころ彼は古代中国の歴史書である『史記本記』を読破し、また鍛冶屋に訪れ、義竜という鍛冶屋の青年と出会います。
実は、この二つのファクターが後のテムジンを助けることになります。
テムジンは、『史記本記』を読んだことから仮説をたて、鉄が採れないと言われていたモンゴル草原で鉄山が見つかる可能性があることを確信します。また義竜との縁が、数年後、テムジンがモンゴル草原で鍛冶場を作るときに生かされ、鉄の精錬が可能になりました。
一見関係ないと思っていた過去のファクターが、今の自分を助けることになる。スティーブ・ジョブズが提唱したconnecting dotsの考え方に通ずるものを感じます。
一気読みして感じたことをまとめましたが、まだまだ奥深い知見が眠っているかもしれません。気がむいたら再読し、現在でも通じる教えをテムジンさんから教えて頂こうと思います。