AI時代にデザイナーが考えるべきキャリアステップとは?【Web Design Talk】
こんにちは、How many designs です。
Web Design Talk というタイトルで、デザインに関するお話を少しだけ書いていこうと思います。気軽に読んでいただければ幸いです。
はじめに
AI時代を受け入れてキャリアを考える
昨今のデザイナーはその業務がAIに取って代わられつつあるため、単にデザインスキルを持つだけでは社内外で埋もれてしまう(価値を認められにくくなる)可能性が出てきています。しかし、AIを受け入れつつも、デザイン力と組み合わせることで強みを発揮できるキャリアはたくさん存在します。
そこで、どのようなキャリアを選ぶのかが大事になってきます。特に現時点の状況で考えておかなければならない重要な点がひとつあります。それは、
「AIの進化により、個人で完結できる作業は、将来的にはAIに取って代わられる可能性が高い。」
ということです。これは好むと好まざるに関わらず避けられません。
「デザインだけはできる」というスキルセットの価値は、以前より相対的に低くなる可能性が大きいです。
デザイナーの仕事がなくなるという意味ではない
AI時代にはデザイナーの仕事がなくなるという意味ではありません。むしろ、より創造性や戦略性が求められるようになり、チームまたは組織の中で不可欠な存在となることに価値が置かれると考えられます。
以下、Webデザイナーがチームで活躍できるキャリアパスと、そのために必要なスキルについて、以下のカテゴリーに分けて個人的な見解を書かせていただきます。
(状況は刻々と変化します。ご参考程度にお考えください)
デザインワークに重点を置いたキャリア
デザインワーク以外に重点を置いたキャリア
おすすめしないキャリアの組み合わせ
デザインワークに重点を置いたキャリア
デザイナーとしての専門性を活かしながら、他の業務との組み合わせでさらなる飛躍を目指すキャリアです。チームの中でデザインスキルを活かすというキャリアステップはデザイナーの方にも想像しやすいのではないでしょうか?
1. UXデザイナー
ユーザーリサーチ、情報設計、プロトタイピングなどを行い、ユーザーにとって使いやすいWebサイトやアプリを設計する。
チームと連携して、ユーザーニーズを踏まえた最適なデザインを提案し、実現する。
必要なスキル: ユーザーリサーチ、情報設計、プロトタイピング、コミュニケーション、チームワーク
2. プロダクトデザイナー
ユーザーインタビュー、調査分析、競合分析などを行い、ユーザーにとって価値のある製品を企画・設計する。
エンジニアやデザイナーと連携し、製品開発の全体像を把握しながら、デザインを推進する。
必要なスキル: ユーザーリサーチ、調査分析、競合分析、コミュニケーション、チームワーク、プレゼンテーション
3. サービスデザイナー
ユーザーの行動やニーズを分析し、サービス全体の体験設計を行う。
関係部署と連携し、サービスのコンセプトからリリースまで一貫してデザインを主導する。
必要なスキル: ユーザーリサーチ、サービスデザイン、コミュニケーション、チームワーク、プレゼンテーション
4. デザインマネージャー
デザインチームをマネジメントし、チーム全体の目標達成に向けて指導・育成を行う。
経営層に対してデザインの重要性を訴求し、デザインがビジネスに貢献する仕組みを構築する。
必要なスキル: チームマネジメント、リーダーシップ、コミュニケーション、プレゼンテーション、経営企画
デザインワーク以外に重点を置いたキャリア
これらのキャリアパスはいずれも、個人で完結する作業ではなく、チームで協力して成果を出すことが求められます。そのため、コミュニケーション能力、チームワーク、リーダーシップなどのスキルが重要になります。
1. マーケティング
求められる役割:デザインをより戦略的に活用し、ビジネスの目標達成に貢献できる。ユーザーニーズを深く理解し、効果的なコミュニケーション施策を立案できる。
スキルアップ方法:マーケティングに関する資格取得、関連の書籍やブログを読む、セミナーやイベントに参加する、オンラインマーケティング講座を受講する、インターンシップに参加する。
2. プロジェクトマネジメント
求められる役割:デザインプロジェクトを円滑に進め、チームをマネジメントする力がつく。計画性、コミュニケーション能力、リーダーシップを発揮できる。
スキルアップ方法:プロジェクトマネジメントに関する資格取得、関連の書籍を読む、プロジェクトマネジメント講座を受講する、プロジェクトマネジメントツールを活用する、ボランティア活動や学生団体などでプロジェクトを経験する。
3. コンサルティング
求められる役割:デザイン思考を用いて、企業の課題解決に貢献できる。問題分析力、提案力、プレゼンテーション能力が向上する。
スキルアップ方法:コンサルティングに関する資格取得、関連の書籍を読む、コンサルティング会社で働く、コンサルティング案件を受託する、コンサルティングスキルアップセミナーに参加する。
おすすめしないキャリアの組み合わせ
AIの進化により、個人の作業領域は徐々に狭まっていく可能性があります。
デザインの一部タスクが自動化されることはすでに現実です。今後も、AIの進化はさらに進むでしょう。個人で完結できる作業は、将来的にはAIに取って代わられる可能性が高くなります。
Webデザイナー x コーディング
Webデザイナーのスキルにコーディングスキルを組み合わせることは、多くのWebデザイナーが目指す方向性です。今まではこれでも良かったと思いますが、しかし、個人作業の範疇を出ないため、スキルの価値としては相対的に下がっていくと思います。
AIの発展により、デザインの一部タスクが自動化されることはすでに現実です。個人で完結できる作業は、将来的にはAIに取って代わられる可能性が高くなります。
もし、コーディングをスキルセットに加える場合は、非常に高いコーディングスキルと身につけるか、ポートフォリオ制作やブログ発信など、自分のスキルや経験をアウトプットする機会を作ることを検討してください。
Webデザイナー x ライティング
ライティング自体はいいスキルなのですが、将来的にはAIに取って代わられる可能性がかなり高いです。
Webデザイナーのスキルにライティングスキルを組み合わせることは、もはやスキルセットというより、AIを使ってその領域までカバーできるかというフェーズに入っている部分が大きいです。
もし、ライティングをスキルセットに加える場合は、特殊な領域で高いバックグラウンドが求められる領域を選ぶ方がいいと思いますが、学習コストがかなり高くなるのに加え、専門性が要求されるとスキルセットとして組み合わせるのが難しくなります。
おわりに
上記以外にも、営業、人事、広報など、デザイン力と組み合わせることで強みを発揮できる業務は多岐にわたります。
さらに、積極的に情報発信を行い、人脈を広げることもキャリアアップに役立ちます。ブログやSNSで自分の活動を発信したり、デザインコミュニティに参加したりすることで、新しい出会いやチャンスを得ることができます。
AI時代を生き抜くためには、デザインスキルという武器を活かしながら、人間ならではの能力を磨き、組織やチームで活躍できる人材になることが重要です。
ぜひ、ご自身のキャリアビジョンに合わせて、積極的にスキルアップに取り組んでください。