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確実に読まれるビジネスライティング
ビジネスライティングと聞いて、皆さんは何を連想されますか?
取引先への連絡、会議での報告、日常の様々な業務シーンを想像されたかと思います。
そんな身近なビジネスライティングではありますが、ちゃんとした文章を自信を持って書けているといえる人はどの程度いらっしゃるでしょうか。
大事なセールスポイントを確実に伝えたい、上司へ提案する際に効果を確実に理解させたい、取引先へ誤解を与えないメールを残したい、そんなお悩みを抱えている人が大半かと思います。
文章力を鍛える事は、相手の状況や気持ちに配慮することや論理的に思考する訓練ともなります。
今回はそんなビジネスライティングについて考えていきたいと思います。
まず、ビジネスライティングの目的として、読み手を動かすということが挙げられます。
すべてのビジネス文章には読み手がおり、読み手の存在しないビジネス文章はありません。
一読して理解できない文章や、理解するのに苦労や時間を要する文章、結局何をすれば良いのかわからない文章等といった、読み手が読む気にならない文章は、時間やコストの無駄と言えます。
例えば企業のエグゼクティブの場合、メールを2~3行読んで、「?」と思ったらそれ以降は読んで貰えません。時間の無駄ですし、そもそも添付資料に目を通すことももないでしょう。
情報過多の時代で読まないという選択肢がある現代では、興味を持って、時間を割いて、最後まで読んでもらえる為の工夫が必要です。
当然、書き手側に知名度や上下の立ち位置があれば、読んでもらえる確率も上がりますが、大抵の場合、お役立ち感や意外性のあるタイトル、その先が読みたくなる冒頭の導入などの工夫がなければ、その他の情報に紛れて埋もれてしまうのが関の山でしょう。
そのれらの工夫を凝らすためにも、読み手は今忙しいだろうか、何に関心があるだろうか、重視しているポイントは何だろうか、この様な読み手側のニーズを把握する事からライティングは始まっているのです。
それではまず、わかりにくい文章とはそもそもどういった文章なのか考えていきます。文章が分かりにくい理由については以下の3つが挙げられます。
①そもそもの文章が読みにくい・意味不明
②文章の趣旨や目的が分からない
③読み手にどう行動してほしいのかが分からない
上記の原因には書く技術、考える技術、前提の検討不足が要因としてあるといえます。これらの要因に対して意識するポイントとしては、
①読みやすい、読んでもらえる文章であるか
②内容の趣旨・目的を抑えた文章であるか
③読み手の事を理解した文章であるか
つまり、読み手がすぐに理解でき、次のアクションに移ることのできる文章が良い文章といえるでしょう。
続いて、文章を読む際に読み手側が抱きやすい疑問について考えていきます。読み手が抱く疑問としては大きく分けて2つあります。
一つ目は問題の重要性と原因というようなに状況に対する疑問。
もう一つが問題解決のために自分は何をすれば良いのかという行動の疑問です。
これらの疑問をクリアにさせるためにも、視野を広げて理想と現実のギャップを明確にすることが重要となります。
では、どのようにして理想と現実のギャップを明確にしていくのか。
その手段の一つがグループ化です。
人の頭の中は常に情報や知識が蠢くカオスな状態となっており、更に考え方に至っては人によってバラバラです。
人は思い込みを基に、自分の都合の良いストーリーで状況をまとめてしまいがちな傾向があるので、しっかりとした事実の認識が極めて重要となります。
グループ化の際に必要なことは事実をカテゴリ分けする際に何かしらの根拠と意図を持つことです。
同じ情報でも、視点を変えることで様々な括り方ができますし、違う切り口で括ることで、これまでとは違った事実が浮かび上がってくることもあります。
目的を明確にするためには、とにかく状況を整理整頓をしてグルーピングすることが文章作成の第一歩となります。
グループ化ができたら次は要約です。
この過程で、包括的、抽象的な内容に要約してしまうと、いわゆる一般論になってしまいます。
伝えたいことは「つまり何か」という言葉に絞り込むことが重要になります。
要約の際には曖昧な表現を避け、一つの文章で表現することが鉄則です。
また、その文章で「結論何を伝えたいのか」を、繰り返し何度も自問自答することで、メッセージを具体的に表現することができます。
自問自答を行うことにより、自分のスタンスを明確にすることも可能でし、スタンスを明確にすることで、読み手側が文章内容を把握したとき、内容ジャッジに割く時間を短縮できるのも要約することの利点と言えます。
状況を俯瞰して整理し、自分のスタンスを明確にしたら、いよいよ相手に伝えるための文章作成です。
読み手側が一番最初に目につくのがタイトルや冒頭の文章です。
冒頭にアイキャッチを置く、メールの場合はタイトルを工夫する、単にお知らせだけだと平凡でインパクトがないので、具体的なイメージが湧きやすく関心を呼ぶリード文を工夫する必要があります。
読み手に合わせた文章の硬軟に配慮し、読み手が読み進めたくなるだけの体勢を整える文章の作成を意識します。
文章作成のポイントは以下の通りです。
■印象に残る文章作成のポイント
interest
読み手の問題意識や関心に沿う文章か。
something new
読み手にとっての目新しさはあるか。
focus
ポイントにフォーカスできているか。
rhetoric
情緒に呼びかける文章ができているか。
aspiration
熱い思いや信念を伝えられているか。
nature
書き手の人となりを表現できているか。
また、ファクトとイメージについても意識しましょう。
書き手の意図が正しく伝わる文章にするためには、ファクトに基づいて文章を作成する必要があります。数字や自分で確認した事実を書き、読んだ後に読み手がどのように行動すればよいのか、具体的にどうすればよいのかがわかるように文章を作成する事が重要です。この時、様々な解釈が生まれないように、なるべくビックワードを避けるように心がけます。
最後はセンテンスをわかりやすく記していきます。
一文一義にする、同じ語尾・単語を繰り返さない、冗長さを無くす。
これらを文章に反映するためにも、これまでのプロセスをしっかりと意識して文章を構築していきましょう。
インプットとして意識するポイントは多岐にわたります。
しかしながらビジネスライティングは一朝一夕で身につくものではありません。
まずは書けるところからエネルギーを止めずに語りかけるよう書き始める。
最終的には、一行一段落でも良いから書き始め、繰り返し見返すことで、自身のライティングスキルは磨かれていくのだと思います。