第47話 エリの試練
タマの記憶
ハジメはタマの記憶をエリに打ち明ける。
ハジメ:タマがなぜ俺を選んだのか?
ハジメ:タマは…次元の扉を扱える人物をずっと探していたようだ…
ハジメ:200年もの間…ずっとだ…
エリ:200年!?えっどういうこと…
エリ:タマさんたちはいつから捕まっていたの?
ハジメ:タマたちが捕まったのはもっと昔だ…エリ
ハジメ:タマは200年前にこの天球を…
ハジメ:偶然、ある場所で手に入れた
ハジメ:この天球がタマの分身を作り出し…
ハジメ:タマが分身を操作していた
ハジメ:そして現世で…
ハジメ:自分たちを解放するチャンスを探していたんだ
エリ:えっ…
ハジメ:クッ…200年もの間…働きながら…
ハジメ:自分の睡眠を削ってまで…
ハジメ:現世で探しまわっていた…
エリ:そ…そんな…
ハジメ:次元の扉を扱える鍵と転移の天球を…
ハジメ:ただ、ただ…仲間のためだけに…
ハジメ:自分を犠牲にして…
エリ:な…なんて無茶を…
エリ:あの…タマさんにそんな過去が…
ハジメ:俺がもっと早く…
ハジメ:気づいていれば…くそっ!
エリ:自分が一番、辛い思いをしているのに…
エリ:あんなにも…優しくしてくれて…
ハジメ:ああ…一番辛かったのはタマ本人だ…
ハジメ:いつも笑顔で俺のことを…
ハジメ:…見守ってくれていた
エリの想い
ハジメからタマについて聞かされたエリは何かを想う。
想い
エリ:そんなことも知らずに…
エリ:なのに…わたしは…
エリの回想
タマ:オラもエリにゃんを守るみゃ!
タマ:オラにまかせるみゃ!!
タマ:エリみゃん!オラにつかまるみゃ!
タマさんは…わたしを護ってくれて…
タマ:痛たただみゃ…
エリ:あっ!ごっ、ごめんなさい…
タマさんは…わたしに…笑顔をくれた…
タマ:オラがエリみゃんを守ったみゃ!
エリ:わたしは…まもられてばかりだ…
王女:私が強くなきゃ、人はまもれないわ
エリ:強くなりたい!つよくなりたああい!
ハジメ:おい!どうした!?
エリ:うるさい!うるさい!!
王女:私が笑顔でなきゃ、人を笑顔にできない
エリ:わたしに笑顔なんて、笑顔なんて!
ハジメ:落ち着け!エリいい!
エリ:…あのとき…
エリ:…は…じ…
夢の世界で興奮したエリは気を失ってしまう。
エリの試練
気を失ってしまったエリは夢の中で夢をみる。
エリ:…ここは…どこ?
エリ:…あっ…わたしだ!
王女:みんなに笑顔を!
エリ:何をしているの?
王女:私が癒します!
エリ:癒す…?
王女:さぁ!額を我が前に…
エリ:王女かぁ…
エリ:私もお姫様になりたかったな…
エリ:……
エリの心
エリ:私はずっとひとりだった
エリ:唯一の家族、父親は交通事故で他界し、母親に捨てられた
エリ:家族も何もわからない私は皆に忌み嫌われた
エリ:親戚にも相手にされず…
エリ:私はひとり養護施設で育った
エリ:養護施設で私は家族を学んだ
エリ:みんなに笑顔をふりまくことが…
エリ:唯一、私の存在意義だった
エリ:寂しくても悲しくても…
エリ:自分の心を抑えて…
エリ:ただ…笑っていればよかった
エリ:私の心はどこに行ったんだろう?
エリ:辛いことも嫌なことも…
エリ:いっぱい経験してきた…
エリ:なんで…私は生きているのだろう?
そんなときだった、私は初めて私のことを必要としてくれる人間に出会った。
その人は…。
ハジメ:おい!しっかりしろエリ!!
ハジメ:俺と一緒にみんなを助けるんだろ?
ハジメ:みんなに笑顔をあげるんだろ!
ハジメ:こんなとこでくたばってんじゃねええ!
ハジメ:俺がお前を守るって約束したんだ!
ハジメ:帰ってこい、エリ!
ハジメ:俺にはお前が必要なんだ!エリいい!
おばさん:はぁ…まるで子供だねぇ…
おばさん:うるさいったらありゃしない…
おばさん:いってやりな…エリ…
はい…おばさん…
タマ:ハジメがうるさいにゃ!
タマ:ごめんにゃよ!
タマ:たのむにゃ!エリにゃん!
はい!タマさん!
王女:うるさい人ね、あの人
王女:でも…あの人にも笑顔を…
王女:いこうか…わたし。
はい!…わたし。
その瞬間エリの身体から激しいオーラが発生する。
目覚めたエリ
ハジメ:な…なんだ!?
ハジメ:エリいい!行っちゃだめだああ!
エリ:ただいま!
ハジメ:え…エリ!?
ハジメ:お、おか…エリ?
エリ:ハジメさんがうるさいから帰ってきましたよ!
ハジメ:心配したぞおお!エリいい!
エリ:まずは、あなたを…
エリ:笑顔にしないとね!
つづく。