レビュー『みんなでつくっちゃった』長新太
本日は長新太さんの絵本のご紹介。
展開の妙
『みんなでつくっちゃった』は、ある日、森に新聞紙が落ちていることから物語がスタート。
その新聞紙をつかって、動物たちがおもいおもいにモノをつくるという流れです。
たとえば、猫が被る帽子をつくっていたり、犬は靴、リスは手袋。
動物がつくるモノが意外で面白く、ページをめくるのが楽しいです。
絵の魅力
絵自体もシンプルであっさりしています。
それでいて、なにかひきつける動物たちの表情がたまりません。
長新太さんの絵はシンプルながら、どこか味があるというか、動物たちがシンプルゆえに表情ゆたかで楽しめます。
新聞は、実際の新聞がコラージュされており、その新聞のなんと古いこと。
大人は、この新聞の内容をすこし読むことでも楽しめます。
なんというか、いつの時代も新聞は「~がヤバい!」と叫んでいるのだなぁと思い、新聞で騒がれていることに過剰に反応する必要はないなと思わせてくれます(まぁ、新聞というのは「ニュース=驚き=危機をあおる」というビジネスなのですが)
アイデア
長新太さんの絵本の魅了のひとつは、なんといっても、アイデアを最大限活かしきっていること。
本作は新聞紙をつかった斬新なアイデアで、素敵な絵本となっています。
個人的に、きつねが新聞紙でつくったマフラーをしている姿がたまらなく好きで、なんども見返しています。
この動物が、こんなモノを!と、それぞれの動物がつくるモノに驚かされ、きっとお気に入りの動物がみつかるはずです。
大人でもたのしめる本なので、学業や仕事で忙しいときにすこし息抜きしたいときに、ぜひ開いてみてください。
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