相手との距離を縮めるための26の質問:山田玲司『キラークエスチョン』レビュー
山田玲司さんのYouTube動画を見て、温かい人柄に惹かれ、彼の著作『キラークエスチョン』を手にとりました。
ぼくは初対面の人との会話が苦手なのですが、この本が役にたちそうです。
本書では、相手との距離を縮め、本音を聞き出すための「キラークエスチョン」が26個ほど紹介されていました。
たんに26個の質問が羅列されているだけでなく、それぞれの質問の背景や、なぜその質問が効果的なのかが丁寧に解説されています。
今回は本書から学んだ3つの視点を紹介します。
1. キラークエスチョンとは?
キラークエスチョンとは、相手から自然な言葉を引き出し、心の奥底にある本音を聞き出すための質問です。
著者は、長年にわたって他の漫画家へのインタビューを行ってきました。
その経験をつうじて彼が得た結論は、「何を話すか」よりも「何を聞くか」が会話の成否を左右するというものです。
本書では、その「何を聞くか」に焦点をあて、26個の代表的なキラークエスチョンが紹介されています。
2. 質問の背景を知る
本書でとくに興味深かったのは、質問の背景を深く掘り下げている点です。
たとえば、「しんどいですよ……. そっちはどうですか?」という質問。
一見シンプルですが、その背景には「まずは自分の弱みを見せる」という意味が隠されています。
著者は、大阪人のコミュニケーションスタイルを例に挙げ、自慢話ではなく、自らの弱みをさらけ出すことで、相手との距離を縮めることができることを教えてくれます。
大阪では、自分を防御して気取るなどもってのほかで、自分がいかにバカかを競い合うという、高度なコミュニケーションが行われています。
そして、自慢するときは必ず落ちがあり、基本は自爆で話が終わることが多いというのが、大きな学びでした。
3. 質問=好奇心=愛
本書では、会話は「質問と応答の繰り返し」であり、「質問は相手への関心の表れ」であると説いています。
つまり、会話とは、相手のことを知り、理解しようとする行為そのもので、愛の形のひとつと言えます。
著者は、自然に対する好奇心もまた、愛の表現の一つであると述べています。
たとえば、「この虫はなぜこんな色をしているのだろう?」という疑問も、世界に対する深い関心の表れであり、ひとつの愛の形。
よって、自分以外の世界に対する関心の強さが、その人の愛の強さということになります。
おまけ:26のキラークエスチョンで会話にスパイスを
本書で挙げられている26のクエスチョンは以下のようになっています。
それぞれの質問の背景は、ぜひ本書を手に取って確認してみてください。
その服、どこで買ったんですか?
しんどいですよ… そっちはどうですか?
昨夜はちゃんと眠れました?
最強の野球チームを作るなら、いつの時代の誰を選ぶますか?
これは読んでおけ、と言える本を教えてください
あなたにとっての映画ベストスリーは?
あなたのお母さんはどんな人?
今までに言われていちばん嬉しかったひと言は?
どんな恋愛がしたいですか?
人生で出会った、いちばん魅力的な人は誰ですか?
ところで、お腹空いてませんか?
あなたが思うかっこいい人とは、どんな人ですか?
先輩、今まででいちばんの無茶ってなんですか?
つまり、こういうことですよね?
自分がいちばんつらい時期に学んだことはなんですか?
子どもに○○の良さを伝えるなら、なんて言いますか?
自分の子供には、どんなふうに生きてほしい?
9.11の日に何をしていましたか?
今ここにタイムマシーンがあったらどうしますか?
5万円を好きに使っていい、と言われたらどうしますか?
朝目覚めて14歳に戻っていたらどうしますか?
10年後は何をしていると思いますか?
牛を殺して犬を殺さないのはなぜですか?
今日が人生最後の日だとしたら、今日スケジュールしたことをやりますか?
神様がひとつ願いを叶えてくれるとしたら、どうしますか?
あなたはなぜ今、この本を読んでいるのですか?
まとめ:会話の技術を学び、人間関係を豊かに
『キラークエスチョン』は、単なるコミュニケーション術の指南書にとどまらず、人間関係を豊かにするためのヒントが満載。
初対面の人との会話に緊張してしまう人や、人と話すのが苦手な人にとっても、本書は大きな助けとなるはずです。
本書を読めば、相手との共通点を見つけ、和やかな雰囲気を作り出し、より親密な関係を築くことができるはず。
とくに、上司と部下など、世代を超えたコミュニケーションにおいて、本書で学んだ「キラークエスチョン」は、有効なツールとなると思いました。
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