日本政策金融公庫の課長に聞いた、創業計画書の作成ポイント
先日、創業における資金調達にかかわるセミナーに参加してきました。
今住んでいる地域の商工会議所が主催していたので、費用は無料です。
講師をつとめたのは、日本政策金融公庫で課長をつとめる方。
日本政策金融公庫にて、お金を融資する側としての視点で、創業計画書の作成ポイントを教えてもらいました。
すでにビジネスをしている既存の企業と比べ、創業企業に求められているのは以下の3点。
① 創業者の、経営者としての能力(過去)
② 自己資金の準備状況(現在)
③ 的確なビジネスプラン・創業計画書(未来)
①については、必要なスキルを身に着けるための十分な勤務経験を積んでいるかどうかや、経営者としての知識や人脈はあるかが判断されます。
②に関して、なぜ自己資金が重要なのかというと、3つの理由があります。
それは、借入負担を軽減すること、余裕のある資金繰りをして予測した売上を達成するまでのつなぎの資金として使用できること、創業への計画性や意欲を示すことができること、です。
興味深かったのは、以下の2つの数字。
・創業資金の調達総額の平均は1,177万円(以下のリンクの公庫の調査より)
・創業後に黒字化までにかかる期間の平均は、6.3カ月(『2021年版 新規開業白書』より)
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kaigyo_211129_1.pdf
黒字化するまでにはもっと時間がかかると思っていたので、6.3カ月という期間は意外に早く感じました。
さらに自己資金に関しては、どれくらいの自己資金を準備できたか、どのように蓄積してきたのかが重要です。
自己資金が少ない場合、融資を受けてから、収支が計画を下回っても返済が可能なのかどうかもチェックされます。
③の創業計画書について、ビジネスの継続可能性をみるために、「やりたいこと」、「できること」、「世の中のニーズ」の3つの要素を満たす必要があります。
さらに、「自社(Company)」「顧客(Customer)」「競合他社(Competitor)」を分析することにより、さらにビジネスプランを具体化させることができます。
日本政策金融公庫のウェブサイトには、小企業の経営指標が掲載されており、約500の業種を対象に、従業員一人あたりの売上高や、売上原価率などの平均値を業種ごとに算出したデータもあるので、収支計画をたてるのに役立ちます。
1時間弱の短いセミナーでしたが、日本政策金融公庫側の視点で融資の判断基準をしることができ、とても勉強になりました。