『ささるアイディア。』レビュー
「アイディア」というのは、ずっと気になっているキーワード。
アイディアマンになりたいと思っているので、アイディア系の本は定期的に手に取っています。
今回紹介する『ささるアイディア。』もそんな一冊。
第一線で活躍している「15人のトップクリエイター」へのインタビューがまとめられています。
テーマは「アイディアのつくりかた」で、語られているのは、それぞれの作法やノウハウ、哲学といったもの。
発想や思考の質を高めたい人にオススメの一冊。
今回は本書から学んだ3つのことについてご紹介します。
アイディア観
著者の松永さんいわく、良いアイディアを生み出すことは、「発想法」というよりも、どちらかといえば「行動様式」に近いもの。
行動様式とは、「几帳面である」や、「楽観的である」など、人の全体的な行動傾向を表すもので、「習慣」とくらべると、より広範囲な行動パターンを指しています。
そして「行動様式」は、「いまの時代に求められているアイディアとはこういったもの!」という、それぞれが抱いている「アイディア観」に支えられています。
自分なりのアイデア観を持つことで、本当に良いアイディアを選び取ることができます。
身体を信じる
一番インパクトがあったのは「自遊人」編集長の岩佐十良さん。
とにかく、体をはった発想法がすごすぎるので、以下に列挙します。
・ほぼ毎日、1時間半くらい温泉に入る
・夏山と冬山で、年間40日登山(本当は年間90日にしたい)
これらの回数が減ると、発想が貧相になるそうです。
というのも、「何かべつのもの」に発想をゆだねることになり、本質的でなくなるから。
何かべつのものとは、「マーケティング的にこれをやるべき」とか、「こういうことをやると儲かる」といった俗っぽく、つまらないもののこと。
良い発想をするには、こういった「俗っぽい感覚」を消し去る必要があります。
そのための温泉と登山。
温泉は最初の30分、登山は最初の2時間、俗っぽい発想に支配されていますが、その時間をこえると、頭がパッと切り替わり、発想が本質的になるそうです。
紙に書く
本書の一番の収穫は、川村真司さんを知れたこと。
川村さんは、世界各国のクリエイティブエージェンシーでクリエイティブディレクターを歴任された方で、Fast Companyの「ビジネス界で最もクリエイティブな100人」にも選出されています。
川村さんが実践していることは、アイディアを出すときに、必ず紙に書くということ。
100個ぐらいのアイディアをバ~っと紙に書いていきます。
そして、消したり、くっつけたり、分類したり、関連づけたりしながら、アイディアの本質を見極めるとのこと。
アイディアが、ヒューマンインサイト(人間が共通して持っている普遍的な感情や関心)に触れることができているかどうかが大切、と語っています。
ラフスケッチ1つと、1行の説明でちゃんと伝わるシンプルなアイディアを大事にしているそうです。
まとめ
『ささるアイディア。』は、第一線で活躍する15人のクリエイターが「アイディアのつくりかた」を語った本。
この本からぼくが学んだ3つのポイントは、「アイディア観」を持つこと、「身体を信じる」こと、「紙に書く」こと。
アイディアのつくり方について具体的に書かれていて、とても参考になりました。
これらのポイントを参考に、ぼくも自分のアイディア観を磨き、行動に移していきたいと思います。
トップクリエイターのアイディアのつくり方について知りたい人、もっと良いアイディアを生み出したい人にオススメの一冊。