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【首都圏外郭放水路】に行った(前編)

台風や線状降水帯の影響で
都心でも川が氾濫したり冠水の水害が増えている。

その度に「地下神殿があるから大丈夫!」的なポストを見かけますが
「本当に…??」

私自身、地下神殿の存在は知っていたものの、
どのように運用を?どれだけの効果が?などを全く知らない。

そんなこんなで
「首都圏外郭放水路(通称  地下神殿)」の見学に行ってきました。

よく見るとこ

見学までのフローや見学当日のことを備忘録的に書くことにしました。
主に、首都圏から電車で向かう方にむけての tips になります。

長くなったのでNoteを前・後編に分けています

前編:行き方、受付、見学会スタート
後編:地下神殿、第一立抗、帰還

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■ 首都圏外郭放水路(地下神殿)とはなんぞや?


台風やゲリラ豪雨のたびに、
首都圏の河川は氾濫しそうになります。
その際に、川の水を一時的に受け入れて水量を逃がす施設。

上の写真、柱のエリア ここに河川の水がドヴァーっと流れ込みます。
すると川が溢れずに済みます。

ここに貯水された雨水・河川の水は腐るので
貯水から数時間後〜翌日にゆっくり排水されていくそうです。
※ 貯水池的な役割はない


■ ここ見学できるの?


観光資源的な側面もあるようで
年中、完全予約制で見学の受付をされています。

予約はネットから受付されています。
サイト:https://gaikaku.jp/


■ そこそこに人気である


予約の目安は一ヶ月前くらいからしておいた方がいいです。
また、見学時間を選択可能です。

平日は空いてますが、土日祝日は割とすぐ埋まっている様子。
当然ですが大雨が見学のタイミングに重なってしまうと見学中止となります。

見学中止などのアナウンスや遍歴は公式SNSでも発信されています。
首都圏外郭放水路(地下神殿)公式X
https://x.com/gaikaku_guide

■ 見学コースを選択可能


見学コースは4種類あります
1000〜4000円の価格帯に分かれていて、
見学エリアの量に比例しています。

私は、最低限見て学べそうな「立坑体験コース」を選択しました。
大満足でした★

おそらく初めて見学に行く方は、なにがなにやらで
コースの違いがさっぱりわからないと思います。
ただ、一番下位の見学コースである「地下神殿コース(1000円)」だと少し物足りなさを感じるかもしれません。すぐ終わっちゃうので。

■ そもそも…地下神殿はどこにあるの?


なんと埼玉県!春日部付近です。

「首都圏」と名の付く施設なので、江戸川区とか北区とかにあるのだろうな〜とイメージしていたけど意外にも(東京からは)遠かったです。

小旅行。

施設の最寄り駅は「南桜井駅(埼玉県)」です ↓
私は電車で向かいました。都心からは電車で大体1時間半くらいかかった。

最寄りの南桜井駅、ファミマが唯一の文明
東京からの位置関係

そして最寄りの南桜井駅から施設まで3キロくらい距離があります。
ここが、この見学で一番の難所です。

南桜井駅にはバスもタクシーも常駐していない。

都市部の感覚で「最寄り駅に着いたらどうにかなるだろう」の気持ちで行くと痛い目をみますので要注意です。
歩くなら予習をしておきましょう。
街歩きの3キロと、山の3キロは全然違う。


私はタクシーGOアプリで、駅前にタクシーを呼んでおいて
それで施設まで向かいました。

首都圏外郭放水路の場所のイメージとしては
「田舎の駅から離れたところにある施設」
この感覚でいたほうがいいと思います。

施設敷地を遠方から撮影、左に見えているのが集合場所

送迎バスがぶんぶん廻ってる
タクシーがピストン輸送してる
お店が色々あって歩くの楽しい
そういうノリのエリアではないです。

時間には余裕をもって向かいましょう。
最寄りの南桜井駅前には広いファミマがあります、ここが最終セーブポイント。買い忘れたものがあれば買っておきましょう、お茶とか。

Googleマップのレビューにも「交通の便が悪い」旨が多数書かれています。
駅から適当にタクシーを捕まえたらいいや…と思ってもタクシー居ない。
インバウンドはブチギレ案件。

到着

施設には広い駐車場もありました。車でいかれる方は参考までに。

■ おすすめの装備(もちもの)


① 靴!
水たまりを踏んでも染みない靴がいいです。水害対策施設なのでタイミングで水たまりがアッチャコッチャにあります。ズボッとはまってる方を多く見ました。

②リュックサック
階段上り下りがデフォです。傾斜もあるため両手が空いていないと絶対キツイ、また飲料などで片手が塞がってしまうと本当に大変なことになるのでリュック必須です。

③ハンドタオル
湿度差、温度差が凄まじいです。手すりが濡れていたりもします。

④可能ならスマホとカメラにストラップ
階段や竪穴といった高低差のある場所が多数あります
スマホでいい写真を撮ろうとして落としたら絶対に拾えないそうです。
落とした人がいるらしく同意書を書かせられます。

私は付けていかなかったのですが持つ手をプルプルして撮影しました。

ヘルメットや安全ベルトは貸し出されて、装着のレクチャーもあります。
また受付の建屋には無料ロッカーがあるのでPCやタブレットなどは突っ込んでおけます。

■  見学会の集合場所


見学会を申し込みしたら「龍Q館が集合場所です」というメールが届くと思います。

龍Q館という名前で「ん?」となりますが、
施設の総合案内所 兼 資料館という認識で問題ありません。

そして施設敷地に踏み入れたら建屋が少ないのですぐに分かります。
迷う要素はないので、すんなり辿り着けます。

注意点としては、9:30にOPENなので、早く着きすぎると表で待機しなくちゃいけないことです。私は9時ちょうどくらいに着いてしまったのでちょっと待ちました。

集合場所の周りにはトイレと自販機以外はなんにもありません。
※トイレは屋外です、清潔に管理されていました
超自然。

6割くらいがインバウンドの方でした。
中国、韓国のアジア圏、英語圏の方など入り乱れ。

この施設にお茶ができる場所とか、談笑できるテーブル席とかはありません。上階からエントランスを見下ろした写真がこちら。

受付で名前を伝えて、見学料金の支払いと引き換えに
【同意書】、【ノベルティ】、【リーフレット】、【見学者証】をもらいます。
同意書には階段を登り降りたくさんするよ、スマホとか落としても責任持てないよ…とかそういう感じ。

無料ロッカーもあります。
見学ではたくさん階段の上り下りをしますのでパソコンとかタブレットとかはこちらに移しておきました。

リュックサックは無印良品の、肩の負担軽減リュックで対戦しました。

大正解だった。
とても軽くておすすめです


■ 見学会がスタート(施設の説明から始まる)


この首都圏外郭放水路(地下神殿)がどういう施設なのか?
どんな効果があるのか?
などなど、パネルや模型で説明してくださいました。

ギミックのある模型だったり、司令室だったりと、子供も飽きない工夫がされています。

この施設説明のフロアは、集合場所の龍Q館の3階にあります。
受付場所からぞろぞろ上がっていく感じです。

ここで、地下神殿がどういう施設なのか?
ちゃんと知ることができます。

多くの方が「都心に降った、たくさんの雨水を貯水してる施設」という
万能施設的な認識ですが、

実際は複数河川が一定の水量を超えた場合にOPEN
稼働開始という原始的な仕組みの施設であることが分かります。

この埼玉の春日部の周辺を流れる河川の氾濫を防止する役割がメイン
結果的に都心に流れ着く川は、水量が減った川になっているという感じ。

地図で「この河川が氾濫したら地下神殿を開けて水量を減らすんですよ」と細かな説明をしてくださいます。

ここは施設内を確認する指令室。
下町ロケットで出てくる場所ですね

これも見学で初めて知ったことで

誤り:川が氾濫した→すぐに神殿エリアに水を逃がすぞ! 
正解:川が氾濫した→まずは立穴(立抗)に水を貯めるぞ!

下記の写真の中央に見える、コンクリートの土管
これが立抗と呼ばれる縦穴です。

ここに水を入れて、貯めて、入れて、貯めて
そして要約…よく見る柱のエリアに水が流れ込んでいくという設計です。

総工費は2300億円らしいです、主観ですが
「あれ?意外と安いな…」という印象を持ちました。


施設説明が終わると、いよいよ見学本番
受付建屋から出て地下に繋がる入口へ向かいます。

後編に続く

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