美しく儚き佇まい…(引っ掛け結びと角出し)
着付教室「花楽」の豊翠(ほうすい)です。
「豊翠亭」にようこそ。
豊は「ゆたか」、翠は「翡翠のスイ」で、「みどり」の色を表します。
今日も皆様に、着物の魅力をお伝えいたします。
今回のテーマはこちらです。
・主婦だった私が、着装師になるまでの 道のり(連載4)
・美しく儚き佇まい
主婦だったわたしが、着装師になるまでの道のり4
私は幼い時から癖毛に悩んでいました。
「ちり毛ちり毛!」
と、よく囃し立てられ泣いていました。
特にこの梅雨の時期は最悪!
一本一本が違う方向にうねり、わたあめのように膨れ上がります。
もうメデューサか、ヤマンバか!
湿度が高い日は、家でどんなにブローしても、
玄関のドアを開けた途端に、お好み焼きの上の鰹節のように、
髪が躍り出す!(まるで生きているみたい!)
高校の時、憧れの先輩に、
「お前、髪の手入れぐらいしたら!」
と言われ、
ドブに突き落とされたくらいの衝撃!
完全完璧ノックダウン!
口から魂が抜け出し、ヘロヘロヘロ〜ん…
癖毛はコンプレックスでした。
だから着物に出会い、髪をまとめてアップにする事で、
私は救われました。
癖毛はカーラーで巻かなくてもまとまります。
アップでまとめちゃえば、こじんまりと綺麗!
この癖毛は、着物を着るためだったんだ!
こうして、又私は、着物の世界に深くハマっていくのでした。
美しく儚き佇まい
着物は「もののあはれ」の衣であり、
着方によりニュアンスが代わる、不安定な物です。
マネキンのようにシワ無くきっちり着るのは、面白くありません。
着方に自分の意志があると、とっても面白いんです。
私は、浮世絵や、美人画に描かれた女性達のように、
ふんわりトロンと着るのが好き。
ちょっとした、着崩れやシワがニュアンスになって、
優しい、儚い、佇まいになれば、上出来。
天然素材に、天然染料で染められた、
同じ物がこの世に一つと無い、
生命が醸し出す、
儚く、
優しく、
哀しげな色合いに触れた時、
日本の気候と土地に根差した、Folkloreな衣装の、
潔さとカッコ良さの虜になるのです。
外国人が、藍染め職人の手を見て、
「Blue hand Monster」
と言ったらしい。
それは、職人の誇りの「藍の手」で、
手仕事の、全ての感覚を知る、
神の手です。
日本人は、
日本文化を誇りとして、
世界と勝負しているのです。
さて、長くなるので、続きは次回に致します。
長文を読んで下さった方、スキして下さった方、
ありがとうございます。
今日のYouTubeは、
昼夜帯の引っ掛け結びと、引き抜き結びの角出しです。
ゆかたや、普段着物に似合います。
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