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いかつい風貌だけどその歌が心に沁みる THE WHITE BUFFALO

満を持して(^。^)、ザ・ホワイト・バッファローを取り上げてみたいと思います。どのくらいの方がご存じかわかりませんが、私は大好きなアーティストなのです。

とか言っておきながら、いくつかのドラマや映画では曲が使われていますから「そんなの知ってるわ」という方はどうもすみません。

ザ・ホワイト・バッファローとして活動するジェイク・スミスは米国のオレゴン州出身。その音楽はアコースティック・ギターを主体に、フォーク、ロック、カントリー、ブルースの要素が入り混じったルーツ・ロックと表現できそうですが、誤解を恐れずに言えば “流しのおじさん” のような感じです。

いかつい風貌から想像される通りのバリトン・ヴォイスで歌い上げる曲の数々は、フォークにしろロックにしろ、ストレートで心に沁みるものばかりです。最近ではあまり聴くことがなくなった種類の音楽だと思います。

『Hogtied Revisited』(2009年)収録の “Sweet Hereafter”。後悔や罪悪感を歌いながら、“Hold on to the sweet hereafter”(この先にはきっとより良い場所がある)と自分に言い聞かせるように繰り返されます。切ない…。


『Once Upon A Time In The West』(2012年)収録の “Wish It Was True”。こちらも「こう在りたい」と願いながらもそうはならなかった様々なことを歌い、“I wish it was true”(それが本当だったらよかったのに)と悔やむのです。沁みる…。


『On The Widow's Walk』(2020年)収録の “No History”。バンドでの演奏によるロックな曲に痺れる!私達の未来は不確かで困難で、でも時間を止めることはできないわけですが、それでも「過去に縛られるな」(No History)と高らかに響く歌声は本当にカッコいいです。

The White Buffaloはこんな感じで基本的に後悔や嘆き、諦めを悲しく歌う曲が多いのですが、それが心に沁みる年齢になりました。

もちろん悲しいだけではなくて、“No History”のようにそれでも前に進めるように鼓舞してくれる曲もありまして、おじさんながら励まされております。

誰しも「あのとき、どうしてあんなことを言ってしまったのか」、「もっとこうしていればよかったのに」、「もっと違ういまになっていたかもしれないのに」と考えてしまうことがあると思います。そんなある種の苦しさ、悔しさ、情けなさを歌にしてくれています。それらが装飾を控えたシンプルな音、まっすぐな演奏で表現され、そこにこの歌声が乗っかるのですからグッとこないはずがありません。

The White Buffalo、来日してほしいなー。

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