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転職した公務員の末路⑨
何ができる?何もできない?
気が付けば雪が降ったり降らなかったり、以前住んでいたところより寒いような気がします。
片道2時間の電車通勤は慣れました。
最近はこの阿呆のような2時間ですら、Amazon オーディオブック「Audible」を聴くための時間として、非常に有用だと思うようになりました。
夏目漱石の作品集みたいな音声朗読作品があったのでポチリ。
通勤時間に夏目漱石、中々に乙なものではないでしょうか。
ここからは私個人の感想文となります。
どの作品もそうですが、とにかく「人間味」が濃い!
近頃のエンタメのように、スーパーウルトラハイスペックの選ばれし超人が大活躍するような話はひとつもありませんでした。
そこにいたのは、私のような一般人がすごく身近に感じてしまうような、ごくごくありきたりの、どこかに弱さを持った人間たちばかり。
ああそういえば、猫もいましたね。
体面のために、論理をひらすらにこねくり回す人。
金のために頭を抱え、思考が眩む人。
愛なのか憎なのか、心の奥底に闇を抱える人。
そんな人間を生き生きと表現できる漱石先生は天才ですよ。本当に。
もしかしたら私たちが普段抱えているような悩みなんて、夏目漱石から見れば全然大したことないのかも。
原稿用紙1枚で書き終えてしまうような、屁で吹き飛んでしまうようなものかもしれません。
叩かれ殴られ凹んでも
落ちて沈んで未来がどんよりしていても
人間が生きていることは素晴らしいのです。
夏目漱石の話のネタになるような「人間味」の濃い人生を目指してもいいかなあと、思索にふけるのでした。