【ニュースの見解】 好調の基準地価 株価、為替の変化で先行きは?
地価動向を表す指標の一つである基準地価(都道府県地価調査)が9月17日に公表されたました。全国の全用途平均・住宅地・商業地のいずれも3年連続で上昇し、上昇率も拡大しています。詳細については、各メディアが報じていますので、ここでは基準地価の簡単な評価と、8月からの変化として株価の不安定化と急速な円安是正が今後の地価にどのような影響があるのか、私なりの見方を解説しようと思います。
国土交通省は、今回の基準地価について「三大都市圏では上昇幅が拡大し、地方圏でも上昇幅が拡大又は上昇傾向が継続するなど、全体として上昇基調が強まっている」と分析しています。地価を押し上げているキーとなっているのは、三大都市圏では再開発、地方圏ではインバウンドの広がりです。
三大都市圏では再開発が進んでいます。東京・渋谷駅前の再開発である「渋谷サクラステージ」が今年7月に全面開業しました。また、9月には大阪で「グラングリーン大阪」が先行まちびらきとなりました。地方圏においては、熊本のTSMCや北海道・千歳のラピダスといった半導体工場の建設に加え、外国人観光客に人気のニセコや長野・白馬などインバウンドの広がりが地価を押し上げています。
今回の基準地価の傾向は、基本的に公示地価と同様でした。基準地価は「都道府県知事が、毎年7月1日時点における標準価格を判定するもの」とされており、全国の約2万地点について1平方メートル当たりの価格を毎年9月に公表するものです。1月1日時点である公示地価と相互補完の関係にあるという特徴があります。国から発表される地価は3つありますが、その関係を書いた記事がありますので、そちらも参照してもらえればと思います。
さて、ここからは8月以降に急変した日本の株価と為替が地価にどう影響するのかを考えていきます。
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