見出し画像

ハウス・ベース代表の植村の自己紹介です

ハウス・ベース株式会社の代表の植村です。

私は大学で建築を学び、設計事務所、工務店、木構造メーカーをわたり歩き、建築一筋の経験を積んできました。

そうした実務経験の中で感じた「家づくりのジレンマ」を解消すべく、2015年に「住宅・建築の課題を解決する」ことを理念に「ハウス・ベース株式会社」を起業しました。

そんな私の自己紹介をさせていただきます。


生い立ちから大学進学まで

私は1974年、群馬県沼田市に、3人兄弟の長男として生まれました。

群馬県の北部にあり、古くから木材の集積地だった沼田市は、市場街として発展してきた街です。

祖父が材木屋、父が建築関係の仕事をしていた影響からか、私自身も中学時代にはすでに建築の仕事に興味を持っていて、「将来は自分もこの道に進むんだろうな」と、漠然と思っていたものです。

芝浦工業大学に進学して建築を学んでいくうちに、自分の適性や能力はさておき、「設計をする人間になりたい」と思う気持ちはますますふくらんでいきました。

意匠(デザイン)系の研究室を選んで、卒業設計にも熱心に取り組み、優秀作品に選ばれるという成果を上げることもできました。


設計事務所から工務店へ

大学卒業後に就職したのは、社員数30人ほどの伝統ある建築設計事務所でした。

公共建築や、民間の福祉施設、商業施設などの設計実績が多い会社でした。

上司や先輩の指導のもと、図面の描き方から工事監理の心得、クライアントとの打合せのコツなど、さまざまなことを学びながら実務経験を積む毎日でした。

設計コンペやプロポーザルにも積極的に参加する会社だったので、提出期限が近づくと会社に泊まり込みで作業に没頭することもありました。

鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物の設計を数多く経験し、とても勉強になりました。

仕事は充実していたのですが、次第に自分の財布からお金を出してその人自身が使う建物の設計をしたいと考えるようになりました。

特に未経験だった木造の設計も勉強したいという思いが強くなり、工務店に転職する決意を固めました。

工務店に転職した後は、木造の設計を一から勉強しました。

木造については大学のカリキュラムでは教わることが少なかったので、本を大量に購入して読み漁ったり、先輩に煙たがられながらも時間を見つけては教えを求めたりして、必死に学んでいきました。

特に依頼主に設計案のプレゼンを行う時は、やりがいもひとしおでした。

初回の打合せで依頼主のライフスタイルや要望などをヒアリングし、2回目の打合せでファーストプランの提案をします。

図面だけではなく、完成予想の内観・外観パースや、簡易な模型なども作成して、よりイメージしやすくなるよう心がけました。

相性の良し悪しもあるためパーフェクトとはいきませんが、ほとんどの依頼主に満足してもらうことができ、自分自身も喜びを感じる毎日。

依頼主の大切な財産を預かって設計するという責任の重さも感じながら、仕事に取り組んでいました。


工務店から木構造メーカーへ

そんな矢先、工務店の仕事で付き合いのあった木造の構造躯体を扱うメーカーに、新規事業の立ち上げスタッフとして来ないか、と声をかけられました。

工務店での家づくりの仕事はやりがいがあり、設計の仕事にも未練があったのでかなり悩みましたが、次の職場での可能性に賭けて転職を決意しました。

転職先は、工務店に木造の構造設計と構造部材をセットで提供する会社です。

私も工務店の設計担当としてその構法を採用してからファンになり、自分が担当する依頼主には基本的にその構法で設計提案を行っていました。

新規事業の内容は、設計事務所にその構法を伝え、設計者ネットワークを構築するなどの事業を展開するというものです。

設計事務所が手がける斬新な設計にその構法を取り入れることで、まったく新しい木質空間が誕生します。

私はその仕事に、新たな魅力を見出していきました。

私の職務内容は、設計事務所専属の営業マネージャーとして、顧客である設計事務所に構法の魅力を伝え、依頼される住宅や施設等の構造設計を行うことです。

設計事務所を対象に定期的に講習会を開催して構法の説明を行い、実案件の相談があれば個別に訪問していました。

ほかにも施工を担当する工務店の紹介や、その工務店への部材供給の手配なども担当しました。

この仕事を通じて数多くの設計事務所と知り合い、設計事務所だけでも述べ5,000人以上の人とかかわることができました。

工務店についても、設計事務所案件の仕事を通じて、多くの優秀で信頼できる会社と出会うことができました。

その中でも、理念が明確で、つくる家のスタイルが一貫している、そして正直である、たくさんの「いいつくり手」と出会うことができたことは、私の一生の財産だと思っています。


「家づくりのジレンマ」を解決すべく、起業の道へ

住宅・建築の実務を通じて、家づくりの世界は「ユーザーファースト」ではないことにジレンマを強く感じるようになりました。

高額な買い物に不安を抱えながら決断するすまい手の本音と、基本的には一生懸命にモノづくりに励んでいるけれども「家は実物でしか説明できない」ことで苦悩するつくり手の本音を痛感していたからです。

住宅・建築の世界にいる自分でさえ、自邸を建てた際にはかなり悩みました。

限られた情報しか得られない一般の人なら、なおさらだと思いました。

こうした問題意識をきっかけに、 「家を建てたいけれど誰に頼んでいいかわからないすまい手に、このつくり手に依頼すれば大丈夫」と思ってもらえるブランドやサービスをつくりたい、と考えるようになりました。

家づくりをしようとする人に「このつくり手に依頼すれば大丈夫」と思ってもらうためには、自分自身が特定の企業で自社の製品やサービスを訴求することよりも、しがらみのないニュートラルな立場になることで、エンドユーザー向けの情報発信やサービスの提供を通じて、地域で活躍するつくり手の存在やこだわりを伝えることを愚直に続けていこうと考えました。

そう思い、その可能性に賭けて起業を決意しました。

いいなと思ったら応援しよう!