脱炭素社会を推進する鍵となるZEBと木造化・木質化の関連性
脱炭素化において「木造化・木質化」が重要だと捉えられています。
もう一方で重要視すべきなのが「省エネ対策」です。
そこで注目されるのが「ZEB(ゼブ)」です。
これから目指すべき建築物の姿としては、新築される非住宅建築物をZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)基準の省エネ性能が確保されることなどが求められます。
「ZEB」は「Net Zero Energy Building」(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称です。
快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。
地球温暖化対策やエネルギー需給の安定化のため、エネルギー消費量を減らすことが必要とされています。
特に、業務部門(事務所ビル、商業施設などの建物)において、建物でのエネルギー消費量を大きく減らすことができるZEBの普及が求められています。
建物では様々なエネルギーが使われています。
発電所などから送られてきた電気やガス、熱といったエネルギーを、空調、換気、照明、給湯、エレベーター、OA機器などの形で消費しています。
建物で使うエネルギーをできるだけ減らし、できるだけ自分の建物でエネルギーをつくることで、ZEBに近づけていくことができます。
ZEBを実現するための技術は、
・消費するエネルギーを減らすための技術(省エネ技術)
・エネルギーを創るための技術(創エネ技術)
に分けられます。
実際にZEBを実現する場合には、
①パッシブ技術によってエネルギーの需要を減らす
②必要となる需要についてはアクティブ技術によってエネルギーを無駄なく使用する
③そのエネルギーを創エネ技術によって賄う
といったステップで検討することが重要です。
また、建物の運用段階では、どこにエネルギーの無駄が発生しているか、どのように効率的に設備を運用するかなど、エネルギーをマネジメントする技術も重要です。
この技術によって継続的なエネルギー消費量の削減を図ることができます。
ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)のメリット
ZEBには、エネルギー消費量が削減できること以外にも様々なメリットがあります。
具体的には、大きく下記の4点がZEBのメリットとして挙げられます。
・光熱費の削減
・快適性・生産性の向上
・不動産価値の向上
・事業継続性の向上
建物の関係者には、オーナー、働く人、訪れる人など、さまざまな立場の人がいます。
その立場によって得られるメリットはそれぞれ異なるものの、全ての人々に対してZEBのメリットは存在しています。
そのため、ZEBを実現・普及させるためには、各立場の人々が自らのメリットを理解した上で協力していくことが必要です。
地球温暖化対策やエネルギー需給の安定化のため、エネルギー消費量を減らすことが必要とされています。
特に、業務部門(事務所ビル、商業施設などの建物)において、建物でのエネルギー消費量を大きく減らすことができるZEBの普及が求められています。
建物では様々なエネルギーが使われています。
発電所などから送られてきた電気やガス、熱といったエネルギーを、空調、換気、照明、給湯、エレベーター、OA機器などの形で消費しています。
建物で使うエネルギーをできるだけ減らし、できるだけ自分の建物でエネルギーをつくることで、ZEBに近づけていくことができます。
脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方
2050年カーボンニュートラルの実現という目標を踏まえた住宅・建築物の目指すべき姿として、将来における住宅・建築物をとりまく環境、特に省エネルギーを重視した建築物を計画していく必要があります。
カーボンニュートラルの実現とは、住宅・建築物を含めた我が国社会全体でカーボンニュートラルを実現することでもあります。
住宅・建築物においては、省エネ性能の確保・ 向上の取組を進めることで省エネルギーを徹底しつつ、再生可能エネルギーの一層の導入拡大に取り組んでいくことが求められています。
加えて、建築材料等の製造、住宅・建築物の建設施工、廃棄時などに排出されるライフサイクルとしての温室効果ガスに関しても考えておく必要があります。
目指すべき住宅・建築物の姿としては、技術的かつ経済的に利用可能な技術を最大限活用し、新築される住宅・建築物についてはZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)・ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)基準の水準の省エネ性能が確保されることが求められます。
LCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)については、現状取組が進められている戸建住宅に限らず、低層の共同住宅や建築物にもその展開を図ることが期待されています。
LCCM住宅とは、長寿命で且つ一層のCO2削減を目標とし、住宅の建設時、運用(居住)時、廃棄までの一生涯、つまり住宅のライフサイクルトータルでCO2の収支をマイナスにする住宅のことです。
まとめ
カーボンニュートラルの実現のための木造化、木質化がより広がる中、大規模木造を実現するために課題となるのが省エネや環境に配慮した建築物を実現することです。
2050年のカーボンニュートラル実現の姿を見据えつつ、目指すべき建築物の姿としては、新築される非住宅建築物をZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)基準の省エネ性能が確保されることなどが求められます。
都市部を中心に、大規模木造の計画が活性化しています。
木造はもはや都市建築の選択肢の一つとなっています。
加えて発注者は環境重視の姿勢を強めています。
関連法規の基準を満たしながら、更なる省エネ対策を実施した木造建築が求められています。
建築実務者には、木の材料特性を引き出し、流通する製材を活用して、都市部の建築の木造・木質化の実現が求められています。