私スペイン人の妻です~主人と人生の最後を語る~


私の父が亡くなり、
人生で初めて葬祭の一連の儀式に立ち会あったスペイン人の主人。

田舎の一軒家の広間に寝ている故人と家族が同じ部屋に寝て
線香の火を絶やさない習慣。
納棺の儀も含め父の体があるうちに、
出来る限り体に触れて火葬への心構えをしている姿。
そして喉仏の形具合を語りながら遺骨を拾いう様子。
初七日に「今頃、お父さん三途の川を渡ってるね。お兄さんや親にやっと会えるね」となどの語り。
そんな全てを見聞きし、体験して、
「一つ一つのステップが、
旅立つ本人と別れる側のお互いの心を整えるのに良くできていて
本当に素晴らしい」と、とても感動していました。

スペインは、
死亡確認の24時間から48時間以内に埋葬しなければいけないというルール。
自身の父の時は日本から間に合わずお顔を見ることができなかったので
尚更、心に感じるものがあったようです。

キリスト教の土壌で育ちましたが
日本に四半世紀ほど住んでいる主人。
これを機に
最後にどんな方式で葬儀をしてもらいたいかと聞いてみたら、
まだ全然決まっていないけど日本の方式でもいいよ、との返答。

何だか、棺の中で足袋、草鞋、手甲や脚絆を装い、
首から白の頭陀袋を下げて杖を添えられる姿の主人は、
青い目をした水戸黄門みたいになってしまうのでは、と妄想をして
少し笑いが込み上げてしまいました。

そんな冗談も言いながらですが、
国も文化も違う家族なので
お互いどんな最後にしたいのか、
子供に極力迷惑をかけないように
今から少しづつ話し合っておかなければいけない、
そんな歳になってきたようです。

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