最新の成立法律や法改正の情報をお届け!『法律の動向』Vol.18
『法律の動向』では、法律実務家向けの隔月刊誌「法律のひろば」や、自治体職員向けの月刊誌「地方財務」の掲載記事から、最新の成立法律や法改正に関する情報を厳選してお届けします!
※本記事は、「法律のひろば2024年8月号」の「法律速報」に掲載のものです。
地域再生法の一部を改正する法律
① 地域住宅団地再生事業について、地域再生推進法人は、地域住宅団地再生事業計画(以下「事業計画」という。)の作成又は変更の提案ができることとする。
② 事業計画の記載事項の見直し及びこれに伴う建築基準法等の規定による許可等の特例の拡充
⑴ 住居専用地域建築物整備促進事業に係る建築物について講ずる住居専用地域の指定の目的に適合させるために必要な措置に関する事項が記載された事業計画が作成、公表されたときは、用途地域等の変更に係る規定を適用しない。
⑵ 地域住宅団地再生区域内の住民の日常生活に必要な施設の用途に供する建築物の整備が必要とされる特定区域において、住宅の用途変更を促進する特定区域住宅用途変更特定建築物整備促進事業に関する事項が記載された事業計画が作成、公表されたときは、容積率に関する規定の特例を適用する。
⑶ 特定区域内の学校の用途変更に係る特定区域学校用途変更特定建築物整備促進事業に関する事項が記載された事業計画が作成、公表されたときは、建築物の高さの限度に関する規定の特例を適用する。
⑷ 特定区域内の都市公園における住宅団地再生を図るために必要な施設の設置及び管理について、特定区域都市公園活用生活利便確保事業に関する事項が記載された事業計画が作成、公表されたときは、公園管理者は、技術的基準に適合する場合、当該事項に係る都市公園の占用の許可を与えるものとする。
⑸ 地域住宅団地再生区域において認定市町村又は地域再生推進法人が行う住民の日常生活に必要な交通手段の確保を図るための住宅団地再生自家用有償旅客運送に関する事項が記載された事業計画が作成、公表されたときは、その実施主体は、道路運送法の登録、届出等をしたものとみなすものとする。
③ 認定地方公共団体が、認定地域再生計画に記載された事業のうち、まち・ひと・しごと創生交付金を充てて行うものに係る公の施設の整備に関する助成を行おうとする場合に、地方債の起債を可能とする。
④ 地方活力向上地域等特定業務施設整備事業について、特定業務施設の整備と併せて行う、当該特定業務施設の従業員の児童に係る児童福祉施設等を整備する事業を含める。
地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律
① 基本理念として、生物の多様性の増進は、生物の多様性その他の自然環境の保全と経済及び社会の持続的発展との両立が図られ、現在及び将来の国民が豊かな生物の多様性の恵沢を享受することができる、自然と共生する社会の実現を旨として行わなければならないものとする。
② 主務大臣(環境大臣、農林水産大臣及び国土交通大臣)は、地域生物多様性増進活動(地域における生物の多様性を維持し、回復し、又は創出するための活動をいう。以下同じ。)の促進に関する基本的な方針を定める。
③ 地域生物多様性増進活動を行おうとする者が作成する増進活動実施計画又は連携地域生物多様性増進活動(地域生物多様性増進活動のうち、地域の自然的社会的条件に応じ、市町村と地域における多様な主体が有機的に連携して行うものをいう。)を行おうとする市町村が地域の多様な主体と連携して作成する連携増進活動実施計画に対し、主務大臣が認定をする制度を設ける。
④ 主務大臣の認定を受けた者が認定増進活動実施計画又は認定連携増進活動実施計画に従って自然公園法に基づく環境大臣又は都道府県知事の許可を要する行為に該当する行為を行う場合について、同法の許可があったものとみなす等の特例を設ける。
⑤ 連携増進活動実施計画の認定を受けた市町村は、活動区域内の土地の所有者等と生物多様性維持協定を締結することができる。公告のあった生物多様性維持協定は、公告後に当該区域内の土地の所有者等となった者に対してもその効力があるものとする。
⑥ 主務大臣は、認定等に関する事務の一部を独立行政法人環境再生保全機構に行わせるものとする。
⑦ 地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律(平成22年法律第72 号)を廃止し、所要の経過措置を設ける。
総合法律支援法の一部を改正する法律
① 日本司法支援センターの業務として、故意の犯罪行為により人を死亡させた罪若しくは不同意わいせつの罪、不同意性交等の罪等の被害者等又は人の生命若しくは心身に被害を及ぼす罪として政令で定めるものの犯罪行為により被害者が政令で定める程度の被害を受けた場合における当該犯罪行為の被害者等であって、当該被害に係る刑事手続への適切な関与又は損害若しくは苦痛の回復若しくは軽減を図るための訴訟その他の手続の準備及び追行に必要な費用の支払によりその生活の維持が困難となるおそれがあるものを包括的かつ継続的に援助するため、必要な法律相談を実施するとともに、契約弁護士等に必要な法律事務等を取り扱わせることを追加する。
② 日本司法支援センターが①の業務開始の際に作成する業務方法書に記載すべき事項に、これらの業務の実施に係る援助の申込み及びその審査の方法に関する事項並びに当該援助を受けた者の費用の負担に関する事項を追加する。
生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律
① 生活困窮者自立相談支援事業において、居住に関する相談支援等を行うことを明確化する。
② 生活困窮者一時生活支援事業の名称を生活困窮者居住支援事業に改め、都道府県等は、同事業のうち必要があると認めるものを行うように努めるものとする。
③ 生活困窮者住居確保給付金の対象者について、収入が著しく減少し、家賃を支払うことが困難となった者等であって、家計を改善するため新たな住居を確保する必要があると認められるものを追加する。
④ 市町村長は、無届の疑いがある社会福祉住居施設を発見したときは、都道府県知事に通知するよう努めるものとする。また、社会福祉住居施設設置に係る届出義務に違反した者は、罰金に処するものとする。
⑤ 保護の実施機関は、訪問その他の適当な方法により被保護者である子ども及び当該子どもの保護者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言等を行う子どもの進路選択支援事業を実施できるものとする。
⑥ 進学準備給付金の名称を進学・就職準備給付金に改め、その対象者に、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある被保護者であって安定した職業に確実に就くと見込まれる者等を追加する。
⑦ 生活困窮者家計改善支援事業の国庫補助率を2分の1から3分の2に引き上げる。
⑧ 生活困窮者就労準備支援事業及び生活困窮者家計改善支援事業並びに生活困窮者居住支援事業の一部の事業の対象に、生活保護法に規定する特定被保護者を追加する。
⑨ 都道府県等は、支援会議を組織するように努めるものとする。また、保護の実施機関は、被保護者に対する支援に関係する者により構成される調整会議を組織することができるものとする。
⑩ 都道府県知事は、市町村長が行う医療扶助及び被保護者健康管理支援事業について、広域的な見地から調査等を行い、市町村長に対し、当該調査等に基づく必要な援助を行うよう努めるものとする。
流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律
① 流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の題名を「物資の流通の効率化に関する法律」に改め、物資の流通の効率化のための取組に係る基本理念の規定を新設するとともに、国は、基本理念にのっとり、物資の流通の効率化に関する総合的な施策を策定し、実施する責務を有することとする。
② 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の業務に、認定を受けた流通業務総合効率化事業の実施に必要な資金の出資を追加する。
③ 貨物自動車運送事業者等は、運送ごとの貨物の重量の増加のための措置を、また、荷主は、同措置に加え、運転者の荷待ち時間等の短縮のための措置を、それぞれ講ずるよう努めなければならないこととする。さらに、これらの者のうち、輸送能力等が一定以上で国土交通大臣等の指定を受けた者は、定期に、これらの措置の実施に関する中長期計画を作成等しなければならないこととするほか、このうち指定を受けた荷主は、当該計画の作成等の業務を統括管理する者を選任しなければならないこととする。
④ 真荷主(自らの事業に関して貨物自動車運送事業者と運送契約を締結して貨物の運送を委託する者で、貨物自動車運送事業者以外をいう。以下同じ。)及び一般貨物自動車運送事業者は、運送契約を締結するときは、運送の役務の内容及びその対価等を書面に記載して相互に交付しなければならないこととする。
⑤ 元請となる一般貨物自動車運送事業者は、貨物の運送を下請事業者に委託する場合、当該下請事業者に係る運送事業の健全な運営の確保に資するための措置を講ずるよう努めなければならないこととする。また、元請事業者は、真荷主から引き受けた一定以上の重量の貨物の運送を下請事業者に委託したときは、実運送事業者の名称等を記載した実運送体制管理簿を作成等しなければならないこととする。
⑥ 貨物軽自動車運送事業者は、一定の重大事故を引き起こしたときは、遅滞なく、国土交通大臣へ報告しなければならないこととする。また、四輪以上の軽自動車を使用して貨物を運送する貨物軽自動車運送事業者は、営業所ごとに、貨物軽自動車安全管理者を選任しなければならないこととする。
特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律
① 題名を「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」に改める。
② 大規模なSNS 事業者等を大規模特定電気通信役務提供者として指定する。
③ 侵害情報送信防止措置の実施手続の迅速化として、大規模特定電気通信役務提供者は、SNS等において自己の権利を侵害されたとする者から削除の申出を受け付ける方法を公表し、必要な体制を整備して削除についての調査を行うとともに、一定期間内にその結果等を申出者に通知しなければならないこととする。
④ 送信防止措置の実施状況の透明化として、大規模特定電気通信役務提供者は、削除等の実施に関する基準を定め、公表するとともに、削除等を行ったときは、その旨及びその理由を発信者に通知しなければならないこととする。
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