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最新の成立法律や法改正の情報をお届け!『法律の動向』Vol.11

『法律の動向』では、法律実務家向けの隔月刊誌「法律のひろば」や、自治体職員向けの月刊誌「地方財務」の掲載記事から、最新の成立法律や法改正に関する情報を厳選してお届けします!
※本記事は、「法律のひろば2023年12月号」の「法律速報」に掲載のものです。


防衛省が調達する装備品等の開発及び生産のための基盤の強化に関する法律

令和5年6月14日公布・③は公布後1年以内で政令で定める日・それ以外は令和5年10月1日施行

令和5年法律第54号

・開発・生産基盤強化の措置
・装備移転の円滑化の措置
・装備品等契約における秘密の保全措置   等

① 防衛大臣は、装備品等の開発及び生産のための基盤の強化に関する基本的な方針を定めなければならないものとする。

② 装備品製造等事業者が指定装備品等(防衛大臣が指定する自衛隊の任務遂行に不可欠な装備品等であって、特定の装備品製造等事業者による製造等が停止された場合に適確な調達に支障が生ずるおそれがあるもの)の安定的な製造等の確保のために行う取組に関する計画を防衛大臣が認定し、当該計画に係る取組が着実に実施されるよう、政府が必要な財政上の措置を講ずる制度を創設するとともに、装備品製造等事業者が行う装備移転仕様等調整に関する計画を防衛大臣が認定し、当該計画に係る装備移転仕様等調整を行うために必要な助成金を指定装備移転支援法人が基金から交付するための制度を創設する。

③ 装備品等契約(装備品等の研究開発、調達、補給若しくは管理若しくは装備品等に関する役務の調達又は自衛隊の使用する施設の整備に係る契約)における秘密を装備品等秘密に指定し、契約事業者に提供することができることとし、契約事業者の従業者が装備品等秘密を漏えいした場合等の罰則を創設する。

④ 防衛大臣は、装備品製造等事業者に対する②の措置では指定装備品等の適確な調達を図ることができないと認めるときは、当該指定装備品等の製造等を行うことができる施設又は設備を取得することができることとするとともに、当該指定装備品製造施設等の管理を当該指定装備品等の製造等を行っていた又は行っている装備品製造等事業者に委託するものとする制度を創設する。

良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律

令和5年6月16日公布・公布日施行

令和5年法律第57号

・ゲノム医療施策の基本理念
・ゲノム医療施策に関する基本的な計画の策定
・研究体制の整備、不当な差別への対応等の基本的な施策   等

① ゲノム医療施策は、ゲノム医療の研究開発及び提供に係る施策を相互の有機的な連携を図りつつ推進することにより、幅広い医療分野における世界最高水準のゲノム医療を実現し、その恵沢を広く国民が享受できるようにすること、ゲノム医療の研究開発及び提供の各段階において生命倫理への適切な配慮がなされるようにすること、ゲノム医療の研究開発及び提供において得られたゲノム情報の保護が十分に図られるようにするとともに、ゲノム情報による不当な差別が行われることのないようにすることを基本理念として行われなければならない。

② 政府は、ゲノム医療施策を実施するため必要な財政上の措置等を講じなければならない。

③ 政府は、ゲノム医療施策に関する基本的な計画を策定しなければならない。

④ 国は、ゲノム医療の研究開発及び提供の推進を図るため、ゲノム医療に関し、研究体制の整備、研究開発に対する助成等の施策を講ずるものとする。

⑤ 国は、ゲノム医療の研究開発及び提供の各段階において生命倫理への適切な配慮がなされることを確保するため、医師等及び研究者等が遵守すべき事項に関する指針の策定等の施策を講ずるものとする。

⑥ 国は、ゲノム医療の研究開発及び提供の推進に当たり、生まれながらに固有で子孫に受け継がれ得る個人のゲノム情報による不当な差別等への適切な対応を確保するため、必要な施策を講ずるものとする。

⑦ 国は、医療以外の目的で行われる個人の細胞の核酸に関する解析(その結果の評価を含む。)についても、科学的知見に基づき実施されるようにすることを通じてその質の確保を図るとともに、当該解析に係る役務の提供を受ける者に対する相談支援の適切な実施を図るため、必要な施策を講ずるものとする。

活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律

令和5年6月16日公布・令和6年4月1日施行

令和5年法律第60号

・地方公共団体による登山者等の情報の収集の円滑化
・火山に関する調査研究等の推進
・火山調査研究推進本部の設置   等

① 市町村長は、避難促進施設の所有者又は管理者に対し、避難確保計画の作成及び変更並びに実施に関し必要な情報の提供、助言その他の援助をすることができることとする。

② 地方公共団体が把握に努めなければならない登山者等に関する情報の例示として、立入りの日、火山における移動の経路を挙げるとともに、地方公共団体が登山者等に対して当該情報の提供を求めるに当たっては、登山者等がその提供を容易に行うことができるよう必要な配慮をするものとする。

③ 情報の伝達等をするに当たっては、情報通信技術の活用等を通じて火山現象の発生時における円滑かつ迅速な避難のために必要な情報が住民等に迅速かつ的確に伝えられるようにすることを旨とするものとする。

④ 国及び地方公共団体は、火山に関する観測、測量、調査及び研究のための施設及び組織の整備並びに大学その他の研究機関相互間の連携の強化に努めるとともに、国及び地方公共団体の相互の連携の下に、火山に関し専門的な知識又は技術を習得させるための教育の充実を図り、及びその知識又は技術を有する人材の能力の発揮の機会を確保すること等を通じた当該人材の育成及び継続的な確保に努めなければならないこととする。また、国は、火山に関する観測、測量、調査及び研究を推進するため、必要な予算等の確保に努めるとともに、地方公共団体に対する必要な技術上及び財政上の援助に努めなければならないこととする。

⑤ 文部科学省に、火山調査研究推進本部を置くこととし、同本部は、火山に関する観測、測量、調査及び研究の推進についての総合的かつ基本的な施策の立案、関係行政機関の火山に関する調査研究予算等の事務の調整、火山に関する総合的な調査観測計画の策定等の事務をつかさどることとする。

⑥ 国民の間に広く活動火山対策についての関心と理解を深めるようにするため、火山防災の日を設け、火山防災の日は、8月26日とすることとする。また、国及び地方公共団体は、火山防災の日には、防災訓練その他のその趣旨にふさわしい行事が実施されるよう努めるものとする。

中小企業信用保険法及び株式会社商工組合中央金庫法の一部を改正する法律

令和5年6月16日公布・①②は公布後1年以内の政令で定める日、③の一部は公布後4年以内の政令で定める日、それ以外は公布後2年以内の政令で定める日施行

令和5年法律第61号

・信用保険制度における経営者保証改革
・地域経済再生のための商工中金の業務範囲等の見直し
・商工中金に係る政府保有株式の売却及びこれに伴う措置   等

① 無担保保険等において、一定の要件を充たしている場合に、経営者保証を求めないこととする。

② 危機関連保証について、指定期間中に認定申請が行われていれば利用できるよう適用要件を緩和する。

③ 政府が保有する商工中金の株式を全部処分し、議決権株式の株主資格の対象から政府を削除する。また、代表取締役選定時における主務大臣認可の廃止など、政府保有株式処分に伴う措置を講じる。

④ 組合金融の円滑化という目的の範囲内において、事業再生企業への出資上限を緩和するなど、商工中金の業務範囲の制約等を見直す。また、金融分野の裁判外紛争解決制度など、銀行と同水準の規制を導入する。

⑤ 商工中金が業務を行うに当たっては、地域金融機関と連携するよう努めるものとする。

⑥ 政府保有株式の全部処分後も、商工中金に危機対応業務を実施する責務を課す。

⑦ 政府は、政府保有株式の全部処分後における特別準備金を含む自己資本の状況、危機対応業務を含む事業の状況等を勘案し、商工中金に対する国の関与の在り方について検討を加え、株式会社商工組合中央金庫法を廃止するための措置を講ずることができると認めるときは、直ちに当該措置を講ずるものとする。

デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律

令和5年6月16日公布・⑤は原則として公布後1年以内で政令で定める日、それ以外は公布日施行

令和5年法律第63号

・デジタル技術の進展等を踏まえた自律的・継続的な規制の見直しの推進
・記録媒体による申請等のオンライン化
・書面掲示規制の見直し

① 情報通信技術の効果的な活用のための規制の見直しを、デジタル社会の形成に関する施策の策定に係る基本方針として位置付ける。

② デジタル社会の形成に関する重点計画に定めるべき事項として、情報通信技術の効果的な活用のための規制の見直しに関し政府が迅速かつ重点的に講ずべき施策を追加する。

③ 情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律の目的に、情報通信技術の効果的な活用の推進に関する施策について定めることを追加する。

④ 申請等及び処分通知等のうち当該申請等又は処分通知等に関する法令の規定において電子情報処理組織を使用する方法以外の情報通信技術を利用する方法により行うことが規定されているものについて、当該法令の規定にかかわらず、主務省令で定めるところにより、主務省令で定める電子情報処理組織を使用する方法により行うことができるものとする。

⑤ 行政機関等における情報通信技術の効果的な活用及び情報通信技術に関する情報であって当該見直しに資するものの公表及び活用について定める。

⑥ 特定の場所における書面の掲示を求めている、いわゆる書面掲示規制について、その内容をインターネットを利用して公衆の閲覧に供しなければならないこととする等の措置を講ずる。


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