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えにからの決算書(成績表)を解説してみた!!!

はじめに

こんにちは! 蓬莱の玉の枝(ほうらいのたまのえ)です!

にじさんじの運営会社のえにからが上場しました!

みなさんご存知のとおり会社は利益が出ないと続けられません!
ライバーさんへのお給料も払えなくなってしまいます!
なので、一般リスナーにとっても利益の数字は大事です!

その利益を書いた資料が決算書(会社の成績表)と言います!
我々会計オタクの間では現金や借金が載ってる資料を貸借対照表、売上や費用が載っている資料を損益計算書といいますが、そんなのはどうでもいいです!今すぐ舞元の太閤立志伝Vをみてくれ!
数字の読み方なんて学校じゃ習わないのでほとんどの人は知りません!
そこで今回は重要な数字をいくつかピックアップしてみました!


えにからの売上と利益

売上と利益の概要


えにからの売上と利益は以下のとおりです。
売上高 
76億円
当期純利益 (ライバーさんに払ったり、税金を払ったりした最終的な利益)
9億3千万円

これ自体は上場企業としては特別大きいというわけではありません。
例えばバイオ7で有名なカプコンの売上は1,100億円です!サロメ嬢のバイオ配信を急いで見ろ!

えにからのすごいところはその成長力!
前期の売上は34億円、利益は3,200万円です。
売上は前期の2倍、利益は30倍
近くとなっています!!

Vtuber市場というのはまだ小さく、成長の余地を残しているとも言えます。
一方でたくさんのVtuberさんがいて飽和状態とも言われてもいます。
えにから自体は急成長を続けているので、今後の売上と利益がきになるところです!


事業別の売上


えにからの売上をもう少し詳しく見ていきましょう!!!

ライブストリーミング事業
24億円
コマース事業(コンテンツ)
33億円
コマース事業(イベント)
6億円
プロモーション事業
10億円

ライブストリーミング事業とは、スパチャとメンバーシップとYou Tube広告のこと。
コマース事業(コンテンツ)とは、ボイスやCDなどのグッズ販売のこと。
コマース事業(イベント)とは、音楽イベントなどのこと。
プロモーション事業とは、企業案件のことです。
※ライブストリーミング事業の売上はスパチャとメンバーシップについてはグーグルに対する手数料が引かれる前の金額です。

売上順に並べると
グッズ販売>スパチャ等>企業案件>イベントとなっています。

しかし、この並びは近いうちに変わる可能性があります!
最新の資料(2022年4月期第3四半期)だと
ライブストリーミング事業
22億円
コマース事業(コンテンツ)
47億円
コマース事業(イベント)
7億円
プロモーション事業
18億円
となっていて、スパチャ等が鈍化する一方で、グッズ販売と企業案件は大きく数字を伸ばしています!
近い将来には企業案件の売上がスパチャ等を抜いて、グッズ販売と企業案件の2本柱で稼ぐという構造になるかもしれません!


Vtuber一人あたりの売上

Vtuber一人あたりの売上もみていきましょう!

2021年4月期はVtuberあたりの月間売上高は617万円となっていて、2020年4月期の292万円から2倍以上になっています!
これはえにからの説明では、
・既存ライバーのサポートを充実させたよ!!
・Vtuberの認知度たかくなったよ!!!
の2点で説明されています!

所属Vtuber数の増加よりも、サポート体制の拡充を優先することにより、配信動画の質が向上し、You Tube再生時間の増加、「にじさんじ」ファン数増加により、ライブストリーミング収益が拡大されました。加えて、コマース領域、特にコンテンツ販売に注力したことからコンテンツ販売収益が大きく伸長し、Vtuberの活動の幅の広がりと共に認知度も高まることで、「にじさんじ」に企業案件を依頼いただける顧客企業が増加し、プロモーション領域も大きく伸長したことにあります。

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この数字はVtuber市場の拡大とともにまだまだ増えていく可能性が高いので、どこまで伸びるか気になるところです!!


にじさんじの未来、そしてVtuberの未来

にじさんじの未来、Vtuberの未来はどのようになると思いますか?

もちろんその答えは誰にもわかりません!
ここではえにからの考えと私の感想を簡単に述べます!

えにからの考えるにじさんじの未来をみていきます。

ストリーミング市場市場(930億円)
・国内アニメ市場のグッズ販売市場(5,819億円)
・国内アニメ市場のライブ市場(290億円)
・動画広告市場(4,025億円)

の一部を具体的に置き換える可能性があると考えているようです。
具体的な数字目標はありませんが、仮に半分を抑えられたらトータルで5,000億円以上になるので2021年4月期売上の70倍以上になる可能性も秘めているかもしれません。

また、海外市場の規模も潜在的に大きいと考えているようで、海外ライバーの確保も重要な課題なようです。
えにからの資料では、1.2兆円の日本アニメの海外市場規模と類似していると説明されています。
Vtuberはアニメでも実写でもない不思議な存在!アニメ市場のどの程度の割合を取り込めるか未知数ですし、海外展開ではセンシティブワードがあります。特に中国では触れてはいけない話題がたくさんあるので、炎上リスクも日本以上に注意する必要があるのが難しいところです!!

もっと詳しく書きたいこともありますが、3000文字を超えてしまったのでこの辺で!
上記に挙げた市場のどの程度を取れるのか、海外展開は成功するのか等来年の決算書(会社の成績表)も楽しみですね!

Vtuber市場の更なる成長可能性
Vtuber市場は、誕生から間もない市場であり、Vtuberの活動の幅の拡大に合わせて、アクセス可能な市場規模は今後拡大していくと当社は考えております。(中略)
ライブストリーミング領域においては、既存のYou Tube配信やアニメの配信市場が類似した市場(930億円)であると考えており、その一部を置き換えうると考えております。同様に、コンテンツ販売においては国内アニメのグッズ販売市場(5,819億円)を、イベントは国内アニメ市場のライブ市場(290億円)の一部を置き換えうると考えております。また、プロモーション領域においては、日本の動画広告市場(4,025億円)の一部を置き換えうると考えております。加えて、今後Vtuberが活動領域を広げることで、更にアクセス可能な市場は広がっていくと考えております。

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Vtuberの世界での認知度はまだまだ発展途上段階だと考えております。しかしながら、Vtuber市場に類似していると当社が考えるアニメ史上は世界でも大きな市場となっており、一般社団法人日本動画協会によると、2020年の日本アニメの海外市場規模は約1.2兆円と推計されており、国内市場と同程度の市場が存在するとされております。こうした点に鑑みても、Vtuber市場の海外での市場規模は潜在的に大きいと当社は考えております。
当社では現在、英語圏及び中国を中心に海外でもVtuberビジネスを展開しております。(後略)

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おわりに

今回はにじさんじ運営会社のえにからの決算書(成績表)を簡単に分析してみました!
もっと書きたいことはあるし、もっと深い分析をすることもできるのでこの記事がよかったらいいねください!!
第二弾があれば、株式投資家そして会計を専門的に扱うものとして実際の投資に使えるレベルで深く分析、未来を予想していきます!!!
その際にはROEやPER、PBRなど見慣れない用語も出てきますがすべてわかりやすく解説します!!!

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