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養生訓 巻第七 用薬 鳳凰堂流解釈㊻

原文を現代文に改変

棗は樹頭に在てよく熟し、色の青きが白くなり、少紅まじる時とるべし。青きはいまだ熟せず、皆紅なるは熟し過ぎて肉ただれてあしし。色少あかくなり熟し過ぎざる時とり、日に久しくほし、よくかわきたる時むしてほすべし。生にてむすべからず。
なまびもあしし、藥舗(くすりや)及び市廛(てん)にうるは未熟なるをほしてうる、故に性あしし。用ゆべからず。或いは樹上にて熟し過ぎたるもただれてあしし。用ゆべからず。棗樹はわが宅に必ず植えるべし。熟してよき頃の時とるべし。


鳳凰堂流意訳

棗は樹のてっぺんの方にあり、よく熟し、色の青いものが白くなり、少し紅がまじる時とる。

青はいまだ熟しておらず、全て紅なると熟し過ぎて肉がただれているので悪い。

色が少しあかくなり熟し過ぎていない時に取り、太陽の下で長く干し、よく乾いた時に蒸して干す。生で蒸さない事。

生火も良くない。薬屋や町中に売る場合は未熟なものを干して売る為、品質が良くない。用いないように。

樹上で熟し過ぎていてまただれて悪い。用いてはいけない。棗樹は自分の家に必ず植える事。熟して良い頃の時に取る事。

鳳凰堂流解釈

江戸時代でも、商売用は運送や店舗での時間差を考えて、未熟な状態で出荷していた事が伺えます。

やはり、地産地消或いは自家栽培が原則ですが、中々難しく、信頼できる人を見つけるのが1番です。

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