観相学①
先ずは、中医診断学の復習から。
中医診断学(第五版)では望診の意義として、気血の盛衰を光沢の観察によって行い、病変部位(以 後病位)を上記五行に五色を合わせて行う、病変の性質(以後病性)もまた五色を観察する 事になっています。
ここで病位と病性が混在してしまっている事に気づかれると思います。病位と病性は繋がりますが、一緒に考えられる場合は比較的分かりやすく、分けて考えた方が良い場合もあります。
中医診断学(第五版)には、正色、常色、病色が記載されていますが、これを判断する基準の一つに顔の形が用いられます。
顔面部と臓腑との相関関係 は『霊枢・五色篇』に基づいて分類される、鼻−明堂。眉間−闕。額−庭(顔)。頬外側−藩。 耳門−蔽。眉間―肺。目頭の間―心。鼻梁―肝。鼻―脾。鼻以下―腎として五臓の部位の左右に六腑を配当している場合と、
『素問・刺熱篇』に基づいて分類される、左頬−肝。右頬− 肺。額−心。顎頦−腎。鼻−脾。との二種が記載されています。この対応の後の文章には、
三椎下間は、胸中の熱。
四椎下間は、膈中の熱。
五椎下間は、肝の熱。
六椎下間は、脾の熱。
七椎下間は、腎の熱。
と記載されており、胸椎の熱と顔面の熱の相関関係が示されています。
『素問・刺熱論篇』は 顔全体を太極として語っているのに対して、『霊枢・五色篇』では小人形法を用いており、
第1印象や人体全体を察する際には顔全体を観て、五臓六腑を考察する際には小人形法を 用いると良いと考えています。
素問・刺熱論篇の五行・五臓配当は、難経に継承されています。
観相学では、先ず形と気を相交します。
鳳凰堂流では、火・木・金・土・水と言う、先天五行を配当します。火は尖、鋭利(炎上)。木は上下伸長(曲直)、金は角(従革)。土は楕円(稼穡)。水は円(潤下)として、人の成長、発達度合いを測ります。
例えば木形の人は顔が縦長で、発達が良く、理解力や能力の高さが現れますが、一方で肝気が働きやすい為、怒り、断定、正義、決めつけ等の負の作用も抱えやすい等。