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085_『CURVE』
幽霊についての話を読んだ後に、何故だか追われるように悪夢のような映像を見る。診るというか、看るというか。
深夜、悪い夢から目覚めた際の手に握る汗の感触。握り込んだ指が掌に食い込んだ跡がまだ残っている感触。安眠を期待していたはずなのに、心臓の鼓動は速く、肩で息をしている自分。
時計を見ると、まだ眠りについてから然程、時が経っていないことに気付く。悪夢の中では永遠に感じられた時間が、実際には僅かな時間で、夜明けまでの時間の長さに失望を覚える。
『CURVE』という短編映像作品。約10分の映像。
目覚めると目前には文字通り奈落の底。絶望を絵に描いたような谷底のようなカーブに横たわる自身の身体に気付く。そして手には...
解釈は観る主体に委ねられるけれど、この作品については解釈を棄てるべきなのかもしれない。思考よりも感覚。
生と死を、そのまま切り取ったかのような作品。痺れる。痺れた。