「取次」とはなにか?という話から社内の身のこなし方を覚えた法務担当者
私の会社、「取次」なんです。
会社に入ったときに法務部長から口を酸っぱくして言われたのが、「うちは取次だから」という言葉だったのですが、この「取次」が私には意味不明でして。
というのも、私が大学院で勉強した内容と法務部長が言う内容が違うのですよね。
取次とはなにか?
取次とは、「自己の名をもって他人の計算において法律行為をすることを引き受ける行為」とされています。
特に異論もないと思うので根拠などの話は置いておきましょう。
私はこういうふうに理解していたので、法務部長から「うちは取次だから」と言われたときに、以下の図を認識していました。
購入者と法律行為を行うのは当社で、購入者に対して代金請求権があるのは当社で、購入者が商品請求をするのも当社に対して。
当社と購入者との間の売買契約で利益を得るのは製造業者。
当社が利益を得るのは、製造業者との間から発生する取次手数料。
「自己の名をもって他人の計算において法律行為を行う」ってそういうことだと思っていましたが・・・。
取次だから法律関係は薄いという謎概念
法務部長は、「うちは取次だから、販売者に対して責任がない。法律関係はあるけど、薄い」と。
本当に理解できなかったのが、「法律関係は薄い」という発言。
法律関係に濃いとか薄いとかあるのでしょうか・・・?
困ったら調べるのが法務担当者の仕事だと思っている
こういうときに自分の知識を過信しないのが大事だと思っており、上司の謎ワードは愛想笑いでスルーしつつ、取次について商行為法の教科書やネットで検索したりで調べてみました。
マイナーな分野だし明確な記述があったわけではないようなのですが、やっぱり購入者と法律関係に経つのは取次である当社だよね、という結論に至りました。
あと、法律関係が濃いとか薄いという概念はどこにも無かったですね。
法律関係は、あるかないかのどちらかです。
利用規約を確認してみると
当社が運営するサービスの利用規約を読んでみると、取次を反映しているものでした。
今の法務部長ではなく、以前の法務部長(ていうかたぶん弁護士)が作ったものなんだろうなと想像しています。
なので、法務部長と私の取次に対する認識がずれていても、特に問題が生じているわけではなく。
なので、放っておけばいいんだろうなと思い、今日も「法律関係は薄い」という謎の概念に愛想笑いを浮かべながら業務を続けています。