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裏・読書 手塚マキ 2019年4月出版

著者は元歌舞伎町ホスト。現在は歌舞伎町でホストクラブを始め色々な事業を展開。本屋や介護事業も。本好きの著者が本の読み方は人それぞれ。自由に本と付き合えば、心が自由になるんだと。本書では13作品の本を紹介し、著者視点の見え方を綴っている。

■『サラダ記念日』俵万智:1987年出版なんですね。一大ブームを起こしたサラダ記念日。もちろん私も読みました。著者は歌人を招いてホストたちと歌会を毎月開いているそうです。短歌が「5・7・5・7・7」で成り立つことさえ知らなかったホストがどんどん詠むのが上手くなっていく。言葉と丁寧に向き合う面白さに気づくホストたちも徐々に現れてきました。

■『マチネの終わりに』平野啓一郎:蒔野と洋子の大人の恋愛を描く作品。私は本を読んでから映画。40代以上じゃないと理解できない世界観でした。著者はホストたちに教養を身につけて、お客様とこの作品のようにインテリ愛を築いて欲しいと。人が悲しいとき100通りの悲しみを、嬉しいとき100通りの嬉しさを共有できる。どこまでも思考停止をおこさず、自分と相手の関係に無限の広がりを感じることが出来る。人間関係の醍醐味は他人と触れ合うことで自分の感情の幅を広げていけることではないでしょうか。

■『五体不満足』乙武洋匡:乙武さん、パワフルですよね。この作品はすぐ読みました。バスケ部、アメフト部に入っていたなんて!って驚いた記憶があります。著者は乙武さんと10年来の親友だそうです。五体不満足の主役は乙武さんでなく、彼の周りで「オトちゃんルール」を作った人、受け入れた人。立場の弱い人が自ら声をあげるのはとても難しい。だからこそ周りにいる人たちがいつも重要な鍵を握る。

■他に『こころ』夏目漱石、『ノルウェイの森』村上春樹、『火花』又吉直樹、『漫画 君たちはどう生きるか』吉野源三郎・羽賀翔一、『ぼくは勉強ができない』山田詠美、『容疑者Xの献身』東野圭吾、『野心のすすめ』林真理子、『眠れる美女』川端康成、『走れメロス』太宰治、『ぼくんち』西原理恵子 

【感想・行動】
歌舞伎町ホストという肩書は昔は絶対に隠したかったことなのに、今はブランド力あるよね。題名に「裏」ってつくだけでそそられる( ̄m ̄〃)著者はほんと、読書家。一流ホストは知性がないとなれないだろうね。コミュニケーション力もあるのでどこででもやっていけそう。

#手塚マキ #歌舞伎町#ホスト#書評


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