誤解だらけ “オーガニック” の本質
オーガニックって何??
「オーガニック」とは何でしょうか。農薬を使わない事? 化学肥料を使わないこと? いいえ違います。オーガニックの本質はそこではないのです。では最近巷で流行のオーガニックや有機野菜とは一体何なのか。そのことをお話ししたいと思います。
まず、世間で勘違いされがちなことですが
・オーガニックは健康に良い
・オーガニックは慣行農法(一般的な作り方の作物)よりも美味しい
という情報は間違いです。
オーガニックでも正しく栽培を行っていなければ健康被害が発生しますし、慣行農法で美味しい野菜や果物を作る農家さんは山ほどいます。
ではなぜそのような間違った情報が世間に深く浸透しているのでしょうか。
理由は単純です。
そう言ったほうがお金になるから。
それだけです。そのような間違った情報やマーケティングに消費者は踊らされ、異様に高いオーガニック野菜を買ったり、それを食べて健康になった気になったりしているのです。冷静になりましょう。
農薬を使った野菜を食べると不健康になる。化学肥料で育てられた野菜を食べると活力がなくなる。だからオーガニックを食べると健康になるし元気になる。
冷静に考えれば、これはおかしいと気が付くはずです。慣行農法で育てられた野菜を食べて育った高年齢層の皆さまは今日も元気に活動していませんか?
オーガニックなんて食べた記憶もないという皆さんでも八十代、九十代まで生き生きと暮らしていますよね?
このオーガニックに対する間違った印象は、典型的な不安を煽り商品を売りつける商法です。
これでは誰もオーガニックの本質である部分を知らず、その恩恵が社会に影響を与えることもありません。
ではオーガニックの本質とは何か
それは生産者、消費者、環境の三つが互いに利益のある、先進的な考えなのです。
一つ一つ整理していきましょう。
オーガニックにすることでそれぞれはどのような恩恵を得るでしょうか?
生産者の恩恵
1. 有機肥料を使うことにより畑の土地を肥し、安定的な生産基盤を作れる
2. 化学肥料や農薬に頼らないので経営における支出を減らせる
3. 農薬等による薬害などのリスクを回避できる
環境への恩恵
1. 資材の原料を遠方から運ばなくなるため温暖化防止につながる
2. 農薬による生態系バランスの崩壊を防げる
3. 畑の土壌を肥沃にでき、空気中の二酸化炭素を土中に固定できる
4. 産業廃棄物を減らし、資源の有効活用が可能になる
消費者の恩恵
1. 比較的栄養価の高い野菜を購入できる
2. 消費の選択によって環境活動に気軽に参加できる
三者三様に利益はあります。それぞれの詳しい話はいつかまたするとして、最も注目してほしいところは消費者の恩恵の二番目。
消費の選択によって環境活動に気軽に参加できる
これが最も重要かつ、オーガニックの最大のメリットであると私は考えています。
エコな取り組みが好ましい事は分かっている。でも今日から突然、
プラスティック製品を使わず、石油燃料に頼らず、クリーンなエネルギーのみを使ってサステナブルに生きていこう!
とはいきません。どうしたって現代社会の仕組み上、既存のものを変えるには時間もエネルギーも必要になってきます。
私だっていきなり生活様式を変えるのは無理ですし、面倒くさいのでやりたくありません。そんな時間と体力があれば、もっと遊びたいし、やりたい趣味も、読みたい本も沢山あります。
ですが、明日から自分が買う野菜を一品だけでもオーガニックにする。もしくは着る服を一枚だけでもオーガニックにする。
ただそれだけで普通の消費活動をしているだけにもかかわらず、あなたはすぐにでも環境活動に参加できるのです。
間接的な関与でも十分それは活動と言えるものです。そもそも我々の持っている貨幣とはこのように自分にできないことや、知らないことを貨幣を対価として手に入れることに本質があるのです。
今オーガニックは一種の信仰のように扱われがち
大きな誤解に包まれているオーガニックという言葉。しかし正しいオーガニックの姿を伝え、理解できればその本質的メリットが分かるはずです。
私は環境活動家ではありませんが、近年の気候変動や災害を見れば環境への負荷が結果として現れていることは明白でしょう。
何か少しでも良いことがしたい!
そう考える皆さん。無理のない範囲でオーガニック商品に手を伸ばしてみてはいかがでしょうか。