【箒屋の独り言】忙しすぎる現代人


人の思考はキャパシティがある。1度に頭の中で無数の物事を考えられる人間は多くはないと思う。少なくとも私はあまり得意な方ではない。子供のころ、テレビを見ながらご飯を食べられないタイプであった。皆さんはどうだろうか?


毎日生活していながら私たちは常に何かに追われるようにして、考えたり悩んだりしている。目の前に流れてくる異常な量の情報を私たちは日々処理し続けているのだ。しかし、人の脳はそこまで大量の情報を処理しきれない。だから現代人は昔よりも思考する能力が落ちてきているように感じる。


矛盾しているように聞こえるだろうか? 分かりやすく言うと、あまりに情報が多すぎるため、自分自身の頭で考えずに受動的に情報を判断してしまっている。本来は情報とは何かを決定するものではなく、自分の思考における判断材料であるべきものだ。しかし、材料がいつの間にか決定事項になり、気が付かないうちに他人の意志で自分の人生を決定してしまっている。これはなかなかに恐ろしいことだと思う。


また、自分の意志で決定できないという事は、本質的な思考ができないこととも同意義になる。だから、この世の中で多くの人がイメージ先行型の思考になってしまっているのだと思う。


一昔前に流行った ”水素水” というのが良い例だと思う。確かに水素水というものはあるが、それが健康に良いというデータはない。なのになぜか健康に良いと言って飲む人々が絶えなかった。自分で調べないのだ。ましてや、水素イオンが含まれている、などとうたっている業者もいたが、高校で化学を習っていればそれはおかしいのでは、という発想になる気がする。


何にしても受動的であるという事はあまり良いことはない。もう少し本質に迫った思考回路を持つ必要がある。そのためには、まず身の回りの物を減らし、無駄な思考を排除することがおすすめだ。無駄なことを考えず、物事に集中できると、よいアイデアも浮かぶ。忙しすぎる現代人には、強制的に試行回数を減らす努力が必要なのだと思う。


たまには携帯もパソコンも置き、鳥の声や風の音に耳を傾けるくらいの余裕があってもいいのではないだろうか。ふと、仕事をしながらそんなことを思った。


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