〜年末年始牛乳需要減少に懸念〜
《今日の記事》 〜年末年始牛乳需要減少に懸念〜
牛の出す乳は人間の都合ではストップできない。ホルスタイン1頭から1日あたり搾乳される量は30L程と言われている。数日搾乳せずにいると感染症のリスクが上がるため、酪農家は毎日の搾乳作業を必要としてきた。つまりは毎日ある一定の牛乳が毎日生産されていることになる。これが生き物を扱う難しさとなっている。学校が休みになり、生クリーム特需が終わる12月15日以降、乳製品需要は大きく下がる。加えてコロナの影響もあり、今年はさらなる需要減少が懸念されている。
私は、酪農に携わっていないのだが、身近に酪農家がいる。毎日太陽が昇るより早く仕事を始め、年間通して休みはほぼない。農業の中でも最も大変な仕事だと認識している。酪農家はある意味私の中では、尊敬に値する人々だと思っている。
このように、生き物を扱うということは、私たちのペースで物事が動かせないという事でもある。生き物は人間のために生きているわけではない。まるで私たち人間が彼らをコントロールしているかのような勘違いをしているのだが、私たち人間が彼らの生き物としてのサイクルを利用させてもらっているに過ぎない。
毎日当たり前のように手を伸ばしている牛乳やヨーグルトなどの乳製品、卵や肉などはそのような自然の流れの上にある。その現場を知らない私たちはそのような当たり前の事すら忘れてしまう。私も含め、多くの消費者はスーパーに並ぶ乳製品などを “ただの商品” として認識している。その感覚がおかしいという事に早く気が付くべきなのだろう。
当たり前が当たり前ではないと、このコロナを通して気が付かされた人は多いだろう。私自身、農の世界から一歩出ればそんな事ばかりだ。そのような事に気が付けるアンテナを持ち、日々過ごしていけるようになりたいものだ。
このような “気付き” の機会は、実は生活の中にたくさん落ちている。この乳製品に関する記事ひとつでも、これを読む人に明日を豊かに暮らせる気付きを提供できると嬉しい。そんな願いを込めつつ、今日はここで筆を置くことにしたい。