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「ハルさんちのハンドメイド~大きな手小さな手」第三十一回 池田ハル
裸のアヌーシュカ、単行本刊行記念展Vol.1~Vol.4へお越しいただいた皆さまどうもありがとうございました!お世話になりました方々にも感謝します。また来年も展示でお会い出来るよう頑張ります。これからもどうぞよろしくお願いします。
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大切なお知らせ「Les Anouchkas Dénudées」
新作あにゅーしゅか・ジン2「Anouchkas ZINE2」
Les Anouchkas Dénudées Vol.4 “Le bureau de Mal” -「マルの書斎」@タコシェ・レポート◎
最初に作った絵本(ZINE)のこと。
裸のアヌーシュカの音楽について。
食品サンプルをつくろう!ワークショップ
1. 大切なお知らせ「Les Anouchkas Dénudées」
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まず最初に大切なご報告をさせてください。
「裸のアヌーシュカ」の仏語タイトルを 「Les Anouchkas Dénudées」と変更いたします。
今さらで申し訳ございません。すでに単行本も発売となっておりますのでこの先、本を刷り増す場合や新たな制作物、展示などの表記にともない修正をして行きます。関係者の皆さま、ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
「裸のアヌーシュカ」は完成までに10年以上の時間をかけているため、途中いろいろなことがありましたが、今回の個展Vol.4の準備中に気がつきました。
『Anouchkasが女性名詞の複数形になるので それを形容するdénudéもあわせて、女性複数形のdénudéesとなるのです』
Les Anouchkas Dénudés→「Les Anouchkas Dénudées」◎
この漫画を描きはじめた当時、わたしはフランスへ留学経験のある写真家にフランス語の相談をしていました。何度か話をしましたが彼は『タイトルとか、そういうのは作家が考えて付けるものだから、作家がそれでいいと思うのならそのままでいい』と言っていました。その時のことを思い出しつつ、タイトル表記を変更するべきか考えて来ましたが、この漫画は女性に敬意を払っている物語ですから、ここからでも変更した方がいいと思いました。
長年愛着をもってこのタイトルと共に漫画を描いて来ましたから、これまで作って来たプロダクトや漫画そのものに何も後悔はないです。どうぞそのままお手元に置いていただければ幸いです。
そして、これからタイトルの一部は変わりますが、新タイトルと共に続きを描きたいと思っておりますので、よろしければこの漫画の行く先を見守っていただければ大変嬉しいです。
最後に、仏語タイトル表記にご指摘をいただいたNさんと、ご指導いただいたBさんに感謝いたします。ありがとうございました。これまで多くの諸外国の皆さんにこの漫画を観てもらいましたが誰も気がつきませんでしたー。わたしの名付けた登場人物たちは名前というかニックネーム的であり、それが男性・女性であるかということも、物語りを最後まで読み込まなければ解らなかったと思うのです。
追伸:ささやかではありますが、単行本をこれからお買い上げいただく方々には「新しいロゴマークの栞」をお付けしたいと考えています。多めに制作しますので、これまでにお買い上げいただいた方々も今後わたしの個展などでお声掛け下されば差し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。
2017.10.7 池田ハル
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公園にバラの花が咲いていました。
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版画のアトリエに入り、こんな風に製版をして、自分でシルクスクリーンを刷っているんですよ。それにしても汚れた版で失礼しました。これは作家さんから譲り受けたものなのです。
2. 新作あにゅーしゅか・ジン2「Anouchkas ZINE2」
裸のアヌーシュカ「Les Anouchkas Dénudés」 Vol.4 - Mal「No.1000 マルの書斎」によせて
『快晴だモナムール絶望的なまでに限りないノスタルジア豊穣の煌めき紺碧の海キラキラ星の夢から覚めて-美しい子供部屋に宿る娘マドモアゼル・ナナによって叩き起こされる AM8:13』
漫画「裸のアヌーシュカ」の物語を、ほぼ全編モノローグで導く彼の名前はマル。今は未来の作品のプロットを考えてる。書斎にはいつも沢山の本が山積みになっていて彼は何か調べものをしているのだった。無口な彼は「おしゃべり」とも呼ばれている。時々口にする気取り屋なセリフは、その時読んでいた本の影響が強いように思われる-。
わたしのライフワーク、30代の10年間をほぼ「裸のアヌーシュカ」の執筆のために費やしたため、その時々自分も調べ物をしながら、学びながら、マルと共にこの物語を考えて行った様に思います。未来の作品のプロットを考えながらわたしは、仕事部屋で山積みの本と気取り屋なセリフを口にしながら「おしゃべり」していたのかも知れません。
セツ・モードセミナーの師・長沢節さんとスケッチ旅行で訪れた南仏ヴィルフランシュにて、ジャン・コクトーが天使の壁画と内装を手掛けた「サン・ピエール礼拝堂」を見つけました。コクトーが「鳥刺しジャン」を執筆した「ウェルカム・ホテル」も、海や街並も、漫画の中に登場する南仏のシーンは、実際にわたしが訪れた時の写真を見て描いています。コクトーの絵とセツさんの絵がウェルカムホテルのレストランに飾られていた日のことも、その後に訪れたパリのことも。いつまでもわたしにとっての宝物のような、決して絶望的でなどなく限りないノスタルジアなのでした。
~「Anouchkas ZINE2」2017年9月制作の一部より~
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eが1つ増えてさらにバンド感が出て来た「裸のアヌーシュカ」新作ZINEと共に。ここまで気がつかなくてごめんなさい。
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新作あにゅーしゅか・ジン2「Anouchkas ZINE2」には、過去にお仕事で描かせていただいた「アヌーシュカ」も掲載しています。
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こちらは最初の「あにゅーしゅか・ジン」。表紙は日本語だけでした、このロゴも気に入ってます。単行本ではわたしの手描きロゴを使用しました。あたらしく作った名刺の裏にもあたらしいロゴをプリントすることにしました、日付も入れます。これから差し上げる栞はこのサイズになる予定です。
3. Les Anouchkas Dénudées Vol.4 “Le bureau de Mal” -「マルの書斎」@タコシェ・レポート◎
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アクリル圧着のオブジェ的なものを作って頂きました。今もタコシェにあります◎
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映画のワンシーンの様で素敵な仕上がりです◎
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セツ・モードセミナーの師・長沢節さんやセツのみんなと訪れた街、南仏ヴィルフランシュの思い出を今回の個展で10枚描きました。この絵は漫画の中にも出て来る構図です。
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会期中に開催した似顔絵イベントにて、1回目は6名の方々を描かせていただきました。感謝です◎
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2回目は2名の方々を描かせていただきました。ありがとうございました!
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こちらはVol.1の会場パールブックショップ&ギャラリーで描かせていただいたお二人さん、初公開。ありがとうございました◎
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今回の展示の見所は、原画を多数展示したこと。それを元に印刷物や版画、着色絵とを見比べることができました。インスタグラム他、SNSでもとても丁寧に説明をしていただきました。タコシェの皆さま、色々と本当にどうもありがとうございました。
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さて、今回は「マルの書斎」をテーマにしていましたから、実は1冊だけわたしの大切な本を忍ばせていたのですが、見つけてもらえましたでしょうか?パリのブキニストで見つけた装幀がとても美しい本です◎誰も気付いていないかも知れませんが、この展示スペースに併せて選んだものでした。また時々何か仕掛けを考えてみたいと思います。
4. 最初に作った絵本(ZINE)のこと。
1994年当時、わたしは世田谷美術館・市民ギャラリーでのグループ展を友人と企画し参加しました。その時に1冊の絵本を版画で作ろうと思いアトリエへ通い始めたのです。版種はシルクスクリーン・プリントでした。全15ページの絵本を20冊くらい作りました、刷りも綴じ方も製本まで手作りなため1部¥4,000で販売しました。半分くらいは美術館で友人たちが買ってくれましたが、残りを販売するためのショップを探していたのです。その時に多分友人がタコシェを教えてくれたのではないかと思います。当時タコシェはまだ高円寺に店舗があり、上階には友人「岡画廊」の岡啓輔さんが住んでいました。※現在東京都港区三田で「蟻鱒鳶ル」を建築中の岡さんです。はじめて自分の商品を置いてもらったのはタコシェでした。その時の絵本を2ページだけご覧いただきたいと思います。以下:
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今改めて読み返すと、この絵本に使用しているフォントが「裸のアヌーシュカ」とほぼ同じ書体で驚きました。当時は写植を打ってもらったのです。シーツがふわん~となるところや、少しだけ太陽に溶けるところ、ダンスのシーンなどはそのままアヌーシュカなのでしたー。パッと目に入って来るPOPな色づかいが気持良くて、これほど線画の人なのに線を最小限にまで削っているところにも好感が持てます。何か良いカタチで、この絵本を再発表できる機会をつくりたいと考えています。
5. 裸のアヌーシュカと音楽について。
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1. Bandes Originales des Films de Jean-Luc GODARD.
2. BANDE ORIGINALE DE ALA COMEDIE MUSICALE “ANNA”.
3. The Velvet Underground “Loaded”.
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4. YUMI ZOUMA “YONCALLA”
5. Italian Do It Better “After Dark”
6. NITE JEWEL “LIQUID COOL”.
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7. BRIGITTE FONTAINE “BRIGITTE 3”.
8. BORIS VIAN “LA BANDE A BONNOT”
1番から順番に、漫画を描きながらよく聴いていた音楽を会場毎に選び持参したものです。原画や作品、BGMと併せて「裸のアヌーシュカ」の世界を漂ってみて欲しいと思いました。
1~3@パールブックショップ&ギャラリーでよくかけたもの。
4~6@ルヴァンのカフェ・ルシァレでよくかけたもの。
7~8@タコシェ用にさらに追加したもの。
在廊中に重すぎると辛くなるので最近のものを取り入れつつでしたが、不思議とココでは重いくらいがちょうど良く感じられて後から何枚か追加しました。けれど、元々タコシェに携わっているミュージシャンたちの音楽の方がハマっていたのかも知れません。楽しい経験でした。
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Thank you for coming my exhibition “Les Anouchkas Dénudées - Mal” !!! どの写真にも沢山の本が映り込んでいるココ、タコシェは「マルの書斎」にピッタリな会場でした。ありがとうございました!!
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引き続き、ZINEやリソグラフ・ポスターなどはタコシェにてお取り扱いいただいています。よろしくお願いします。
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今回描き下ろした小作品たち。
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“Chapelle Saint-Pierre, Chloé” - My daily artwork 20170927. 小さな絵11・完成
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“Villefranche-sur-Mar2, Chloé - My daily artwork 20170930. 小さな絵12・完成
< p>最後はとても静かな絵になりました。セツっぽい絵になりましたーと言ったらまたセツさんに耳を引っぱられそうですが、気に入ってます。また来年も展示でお会い出来るよう頑張ります。これからもどうぞよろしくお願いします。
食品サンプルをつくろう!ワークショップ
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個展のはじまる少し前の6月に、いつものメンバーの皆さんと立川の昭和記念公園までピクニックに出かけました。お目当ては、公園内にある木工房のワークショップに参加することでした。¥100から~地元のおじいちゃんたちと子供向けの木細工を楽しむことができます。わたしと娘は何度も参加しているのですが、皆さんを連れて行ってあげたかったのです。詳細は以下のリンクからどうぞ。
昭和記念公園 木工房
そして上の写真は何かというと、わたしが空いた時間で作ろうと思って準備しておいた「食品サンプル」の完成図です。木工房のあとに皆さんとレジャーシートの上で制作しました。ほんのオマケですがー。木工房でみんなで作った大切な作品はもちろん記念撮影したのですが、それはそっと仕舞っておくことにしたのです。こちらが今回のメインとなりました。「ハルさんちのハンドメイド~大きな手小さな手」でした。
今日はここまで。
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池田 ハル プロフィール
福岡生まれ。セツ・モードセミナー卒業後、古着屋店長、デザイナーなどを経てフリーランス。漫画家・アーティスト・イラストレーターとして女の子の企画を中心に活動中。2017年漫画「裸のアヌーシュカ」を上梓。ハンドメイド好きな一児の母親でもある。
「小さな手が大きくなるまで一緒に手作りできたらいいなぁ♪」
HALNOTE.COM
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