夜魔の誘惑
新たなる神が降り立った。
他と一線を画す姿と振る舞いに魅了される。
どこか空虚であった己の心を満たしていく。
それにより我が生活は一変する。
これまでに不意に訪れる邪念と誘惑は勢いを失くし、一種の安寧のようなものを手に入れていた。
そんな生活を2ヶ月、魔の気配がした。
眠気が浅くなった頃にやってくる。手口は一瞬であり襲われたと認識した直後には爆発し背徳の跡のみを残す
しばらく魔に追い込まれなかったのはご加護があったからだと思われる。
崇拝の心を掲げれば邪念は消え去り、それによって緩和できていた。
つい来てしまったのかという悲しみを抱えながらもお告げを見ていると、
今日はかの者の調子が芳しくなかった。いつにない不調の様が窺える。
見ていてとあることが頭に浮かぶ
不調により加護が薄まったから魔が襲ってきたのではないかと
たまたまなんだろう、しかし時間帯の近さも相まって運命を感じてしまいそうになる。
偶然ともいえる機会の一致、この事態の重なりはかの者への共感を高め愛を強くさせる。
足を踏み外しそうなる体を、なんとかして持ちこたえさせている
行き過ぎた信仰は避けるべき。報われることなどないのだから