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新月の章 その2
※スクショが本ッ当に不足しておりますので、ゲームプレイ内容の振り返りがあっさりダイジェスト気味になることをお許しください。
荒れた大地を踏み越せば、眼窩に映るは鬼の巣窟。
震える身体を叱咤して、震える心を追い立たせ、
形見の武具と、揃って結い上げた髪に、絆の祈りを込めて。
すべてはただ、生きるために。生き残るために。
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最初の出陣は相翼院から。謎の美少年、黄川人くんとのご対面。
朔はちょっと緊張するかもしれないけれど、ほたるちゃんは人懐っこいから元気にご挨拶しそうだね。
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黒-縹の装束、やっぱり良い色だなあ。特に朔の色合いが全体的に薄いから映える。
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ゆっくりゆっくり、成長していきましょう。まだまだ迷宮の最奥部までは程遠い。
無理する必要はないとイツ花さんも言ってくれたことですし、お腹が空いたら帰りましょ。
夕焼け小焼けに手を繋ぎ、足並み揃えて帰りましょ。無事に生きて帰るのが第一です。
正直、ふたりだけだと少し戦力不足を感じる。交神、しちゃいましょう。
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5月、朔、二度目の交神です。ほたるちゃんもお姉ちゃんになるんだよ。
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お相手は羽黒ノお小夜さんで。木霊の弓が手に入った場合を見越してというのと、やたさん解放のために。
というのはプレイヤー都合ですけれど、「朔」(新月)とお小「夜」さんの交神というのもなかなか乙なものではないでしょうか。
真っ暗な闇の中を、手探りで歩む。
地上から天界に赴くにはそれ相応の対価――イツ花は「奉納点」と呼んでいた――が必要となるらしく、支払ったそれに応じて天界で動ける範囲が決まるとのこと。
先月の討伐で少しばかりとはいえ貯まった奉納点にて、俺はまた神との子を成そうとしていた。
実際に討伐に出てみてわかったことだが、俺達は明らかに力不足だ。迷宮の奥底まで到達できるようになるまでには程遠く、徒党を組んで襲ってくる鬼に対しても頭数では大きく劣っている。それらを軽くいなせるような力や術も備わっていない以上、手っ取り早く戦力を増やすにはこれしか思い浮かばなかった。
……というのは建前で。やはり、我が子は、可愛い。
不意に、鬱蒼とした夜の森に出る。風に吹かれるままの木の葉がさわさわと音を立てる。――夜。すべてのものが寝静まる時間。鬼の拠点である迷宮の中においても、夜に活発になる鬼はそう多くはなかった。
「こんばんは」
枝に足を絡め、逆さまにぶら下がった女の子に声を掛けられる。
「こんばんは、良い夜だね」
「ふふ。夜はあたいの領分でさ。――」
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「ああ……。夜は、嫌いじゃないね。静かで、穏やかで、どこか懐かしい」
ぽっかりと浮いた月明かりが、辺りをぼんやりと照らしていた。
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お子が来るまでの出陣は鳥居千万宮へと。
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少しずつ、少しずつ。迷宮の中に居られる時間を延ばしていきましょう。
当時はプレイヤーがゲームに慣れていなかったというのもありますけれど、実際問題京も荒れていただろうから、陣中食も十分に用意できなかったのではないかなあ。現地調達の方法も少しずつ覚えていったかもしれませんね。
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そんなこんなで第二子の到着ですよっと。
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おお、切れ長な目や肌と髪の色が父親似だ。端正で良い面構えをしている。
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「趣味:小唄」! すごく似合う! 三味線弾いてほしい。
姉であるほたるちゃんの「得意:口笛」と呼応している感じもあって良いなあ。
心の素質を見ても、基本的にはしっかりしていて、けど芸術を愛する余裕もある大人、って印象を受ける。
素質としても狙った土の素質がバッチリですね。何としても木霊の弓を手に入れたいところ。
名前は「音成」(おとなり)くんで。職業は予定通り弓使いです!
荒れた野山の一軒家、人気のなかったその場所に、人知れず明かりが灯るようになって数か月。風に乗って仲睦まじげな話し声と、優しい旋律が聞こえるようになったとか何とか。
少しだけ賑やかになった家で、ささやかな生活は続きます。