Last Stage『売春捜査官』1/21マチソワ感想

青柳尊哉さん推しのオタクが楽日の2024/01/21にマチソワした観劇レポです。

伝兵衛ちゃんさんが途中で吸っていた煙草とか、大山をしばき倒した花束とか、そういったものの香りが時間差で客席に届くのめちゃ良かったな…絶対に円盤では伝わらない要素だから、現地して本当に良かった…実在感……

ボーボボに片脚突っ込んでるみたいなテンションで前半ずっと頭ぐわんぐわんに揺さぶられてからの、「浜辺ェー!!!」からエモーショナルに全振りになるの本当すごかったな…

📞😺<刑事3人と殺人犯1人の合計4人で、どうして殺人犯がモラルセンターを担当しているんですか?

序盤のカオスな怒濤のくすぐり、大山役の吉田翔吾さんがツッコミも無茶振りへの対応力もほんと素晴らしかったな…
特に日替わりゲストがレッド吉田さんだった大千秋楽、仮に全体が演劇として全く刺さらなかったとしてもアドリブパートの笑いだけで元取れるレベルだった
(無論演劇としても深々とぶっ刺さっているので倍お得!)

でも前半も延々シュールなコントをやってるわけではなくて、初見時は突然訳分からんことを言い出したと思っていた「みぞれ降るあの駅」が伝兵衛ちゃんさんと熊田の本当にあった過去の出来事の話であったり、水野の「ホモの俺がどうやって幸せにできんだよ」が本当に苦しそうだったり、そういったものに気付いたらぬるりと心を掴まれていました。
演じ継がれるだけのことはある戯曲だし、俳優陣の表現力と喉の強さに感服しきりです。

チケットの瞬殺ぶり見てこれもっとでかいとこでやるか公演期間もう少し長く取ろう!?って思ってたんですが、この短い期間とこの箱の小ささじゃないと、4人の誰が一番最初に喉終わるかのチキンレースになりますね…いやこれ7公演つつがなく終えたのほんと喉強いな!?!?

日本の舞台俳優のオタクをやっていたら遅かれ早かれ触れることになる演目だと思うのですが、私にとっての熱海殺人事件の親となったのがこの座組の売春捜査官で、本当に良かったなぁと思います。

しかしこれコンテンツワーニングというかオリジナルの執筆当時の表現を尊重し云々みたいな事前アナウンス無くていいんかなぁ!?みたいな気持ちも正直ややありつつ、流れ弾の射程圏外にいる人間としては、一切身構えずに浴びたからこそ得られた感情もあるので難しいところ。。
全方位に等しく喧嘩売ってるから逆にセーフみたいな感覚はある
一歩間違えれば保毛尾田保毛男とか轟さんとかあの辺っぽいアレが生じそうな水野の男色アピールの毒が、伝兵衛ちゃんさんのおもしれー女パワーで相殺されてる…
毒をもって毒を制す…

というか実際問題として、女が男社会で戦うことの難しさとかセクシュアリティ由来の苦しみとか朝鮮人差別とか、社会への問題提起的な部分、全然古臭いテーマになってくれないんだもんな……

つかこうへい氏は妻子のあった人だから非当事者が当時のパブリックイメージベースで書いたそこまで考えてないよ案件の可能性もあるけど、一貫して自他ともに「ホモ」と称されていた水野、ゲイじゃなくてトランスジェンダーってことなんか

伝兵衛ちゃんさんに対しては水野は元々一人称「私」だったけど、でもなんとなく、元は仕事の場における丁寧な言葉遣いとしての漢字の「私」だったのが、ドレスでハイヒールのときのはひらがなの「わたし」って感じがした

大千秋楽で真っ赤なドレスの水野が現れたとき客席からちょっと笑いが起こってたの、内心「お前ら笑うな!!!!」って厄介オタクのヤンクミになってた
水野の決意と覚悟を笑うな!!!!!

肩幅や男らしい腕や背中が目立つデザインのドレスも顎髭も私が2020年に青柳尊哉さんのオタクを始めて以降で一番短い髪も、女の服を着ていても男の肉体であることを強調する意図を感じたんだけど、笑わせるための所謂クソ女装なら、ショートヘアのままじゃなくてあれにパーティーグッズとして売ってるドギツイ発色でカスみたいな髪質のロングウィッグ合わせたと思うんですよ(早口)

いつぞや女の子を演じられたとき(※)みたいなクオリティの高い女装ではなかったけど、だからこそ、私はその有り様がとても美しいと思ったんだ…水野…幸せであれ………

※劇団ねじリズム『贋作・蝶番』(2011)
私が青柳尊哉さんを知ったときにはもう公演DVDも絶版になっていたので公式ブログのお写真を拝見しただけですが、本当に可愛い




最後に、伝兵衛ちゃんさんを見て思い出した曲を紹介させてください


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