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駒形一登 全仕事 0018

廣田神社

兵庫県西宮市に廣田神社 (ひろたじんじゃ) がある。
古くは廣田神社の摂社が西宮神社であった。
しかしさらに古くは、西宮は廣田神社の別名であった。
つまり廣田神社と西宮神社はもともと同一の神社だったのである。

廣田神社の現在の祭神は、撞賢木厳之御魂天疎向津媛命 (つきさかきいつのみたまあまさかるむかいつひめのみこと)。西宮神社の現在の祭神は、蛭子神。 
蛭子は、現在「エビス」と読まれているが、「ヒルコ」を指す。
この二人の祭神は、ホツマツタエの伝えるところに合致する。
ただ歴史的には蛭子神 (ヒルコ) の方が少し古い。

「ひろた」の意味は「拾った」である。

ホツマツタエは次のように伝えている。

ヒルコはイザナギ・イザナミ夫妻の最初の子で、 筑波の「イサ宮」で生まれる。
ヒルコが3歳を迎える年、父は42歳、母は33歳であり、今で言う厄年に当っていた。この厄がヒルコに及ぶのを防ぐために、イワクス船にヒルコを乗せて流すことにした。( 厄を「水に流す」 )
これを臣下のカナサキ (宇都志日金折命) が拾い、両親に代わって、西宮の廣田宮で育てる。

『それワカは ワカ姫の神 捨てられて "拾た" と育つ カナサキの』ホツマ1文
『拾う 廣田の 宮 造り 育て上ぐまで カナサキの 常の教えは 御言宣』ミカサ1文

つまり廣田神社は、「イワクス船に乗せて流されたヒルコを拾って育てた宮」なのである。

もう一人の祭神、"撞賢木厳之御魂天疎向津媛命" (つきさかきいつのみたま あまさかるむかいつひめのみこと) とは誰なのだろう。

"撞賢木厳之御魂" は "天疎向津媛命" にハクを付けるための修飾詞だと思われる。
"天疎向津媛命" は、ホツマツタエでは「あまさかる日に向かつ姫」と書かれており、通称「ムカツ姫」と呼ばれている。
「あまさかる日」とは「天照大御神」を指す。

だから「あまさかる日に向かつ姫」とは「天照大御神に向かい合う姫」と言う意味で、すなわち「天照大御神の正室」という意味なのだ。
この姫はまた、別名をセオリツ姫 (瀬織津姫)ともいう。

(「天照大御神」については別に詳しく書くつもりだが、ホツマツタエでは、地上に人間として生まれた男性であり、正室のほかに12人の妻がいた。)

なぜ「ムカツ姫」が廣田神社に祭られているのか?
天照大御神が世を去る時、正室のムカツ姫にこう言い残している。

『また后 ヒロタに行きて ワカ姫と 共に妹心 守るべし 我はトヨケと 背を守る 妹背の道なり』ホツマ28文

[后よ。ヒロタに行ってワカ姫と一緒に女の本質を守ってくれよ。我は豊受神と男を守る。男女が揃ってこそ陽陰の道が成立するのであるよ。]

(注:ワカ姫はヒルコの別名で、この時点ではすでに世を去っている。)

この言葉の意味は深長難解だが、これが「ムカツ姫」が廣田神社に祭られる由緒なのだ。

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コメント
西宮神社が廣田神社の境内社であったといふ考へは、興味深く、公家の崇敬も篤かった旨はつたへられてをりますね。
六甲山がその神山であらうといふ地元史研究家の示唆は、興味深く感じられます。
伊勢の神宮の奉献酒が、六甲山の湧き水で醸した「白鷹」であることは、表には出ない真事の縁を想起させます。
宏道 | 2013-07-07 20:41 |

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 駒さんの「ワカ姫物語」の続きです。西宮神社と廣田神社の由緒、そしてその社名と祭神名を考証します。
 六甲山周辺には、ワカ姫と「ムカツ姫」の聖蹟が数多く残り、どこも森厳な佇まいを今に遺し、大切に護持されています。駒さんは、この後、関西の大江幸久さんとやり取りをされ、より深く思いを致していらっしゃいます。
 「ヒロタに行ってワカ姫と一緒に女の本質を守ってくれよ。我は豊受神と男を守る。男女が揃ってこそ陽陰の道が成立するのであるよ」とアマテル大御神が正后セオリツ姫に遺言されたのは、とても意味深です。「トヨケ神とアマテル神」の関係を「ワカ姫とセオリツ姫」に相比させているのは、何故でしょう。
 「トヨケ神」は、アマテルにとって「道の師匠」です。それに相比しているということは、「ワカ姫」は、セオリツにとって「女の道の師匠」たるべき理想であると認めていることになります。アマテル神の姉(世間的には「妹」とされましたが)「ワカ姫」への深い尊敬の念が滲み出ているように思います。

 12年前の七夕に、宏道がコメントしていたことを思い出しました。もう戻らないあの時、、、

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本論とは、まったく関係がありませんが、、、 ↓

連続モノです。引き続きご覧下さい。映画も観てね♡
駒さん追悼の旅行では、やはり諏訪大社に行きたいな、、、

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