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駒形一登 全仕事 0019

たなばた    2013-01-10 21:22

「たなばた」とは、どういう意味なのか?
漢字で「棚機」とか「七夕」と書くが、「棚機」がほぼ正しい意味を表している。

「たな」は、現在の辞書には無い「たぬ」という動詞の名詞形である。
「たぬ」は、「連なる・続く・重なる」といった意味で、無理やり漢字を当てるとすれば「連ぬ」あたりが適当だろうか。
だから「たな」は「連なり・続き・重なり」という意味である。
「たな」の姉妹関係にある語に、「つね (常)」とか「たんもの (反物)」の「たん」がある。

「はた」は、「はつ」という動詞の名詞形である。
「はつ」は、「あつ (当つ)」「うつ (打つ)」「なつ (撫つ)」などと姉妹関係にある語で、「合わす・まじえる・組む」といった意味。
(辞書には「はつ (泊つ)」という語があるが、この漢字だと「停泊」の意に限定されてうまくない。)
だから「はた」は「合わせ・交差・組み」という意味である。
「縦糸と横糸を交差させて組み上げたもの」、これが「はた (機)」であり、「織物」と同じ意味である。

余談になるが、英語で布を「クロス (cloth)」というが、これは「クロス (cross)」から来ている。「cross」は「十字架」であり「縦と横の交差」である。日本語の「機」と英語の「cloth」は語源の概念は同じなのである。また「close」も「閉じる・合わす・綴じる」と言う意であり、これも「cloth」「cross」と同根である。

したがって「連なり続く織物」、これが「たなばた (棚機)」の原義である。

夜空にぼんやりと見える「連なり続く織物」「長く伸びる反物」。
これすなわち「天の川」である。

ホツマツタエやミカサフミには、陰暦七月七日は「棚機の神祭」とか「棚機の星祭」とあり、星となった神々に思いを馳せる祭であったことがわかる。
この日には、木綿や麻や真弓の糸を紡いで機を織り、また梶の葉に、陽陰の神を祝う歌、男女の親睦を願う歌を書き付けた、と書かれている。

『七日に績む 木綿と麻 復棚機の 星祭』ミカサ7文
『真麻・真弓 糸を紡ぎて 栲機や 陽陰の祝歌 梶に押し』ミカサ9文

なぜ七月七日なのかはよくわからないが、古代の日本では「奇数月のゾロ目の日」を神聖視したようである。

1月1日  初日 (元旦)
3月3日  雛祭
5月5日  妹背のささ祝 (端午の節句)
7月7日  棚機祭
9月9日  菊の祝 (菊の宴/重陽)

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コメント
今夜は新暦のタナバタですが、やはり、本来は旧暦でお祝ひしたいもの。
旧暦のタナバタ(8月半ば「本年では8/13」)は、燃ゆる夏。をんなとをとこが激しく燃ゆる陽蔭(をめ)盛りです。
でも、タナバタとセットとなるのがモチ(15日)満月のオマツリで、こちらはご先祖さまへの感謝のお祭りで御座いますね。
男と女の喜びが、ご先祖さまへの感謝と直結した神代の風儀は、いまいずこ。

宏道 | 2013-07-07 20:54 |


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 ワカ姫とセオリツ姫のお話を終えて、駒さんは「タナハタ(七夕)」を解説します。この小文は、駒さんの語句考証の面目躍如なところです。
 「たな」と「はた」を読み取って、「天の川」を「天の反物」と感じ取っていた縄文人の心象を語っています。そして、その「織物」の在り方に男女の睦み合いを投影していたと見る解説には、美しい詩情と豊かな奥深さを感じさせます。そして、それが外国語にも通じていると指摘するところは、如何にも駒さん流儀です。
 このように太古、日本人は「星祭り」を盛んに行っていたのですが、現代の神社神道では、積極的に「星祭り」をしません。逆に、寺院系で「星祭り」に熱心なところが多くあります。とらさんが「日本仏教は隠れホツマ教」と観る所以です。
 特に、日蓮宗系では、「星祭り」が盛んですね、、、

 このブログにも、宏道がコメントしていましたね。
わっしのこのブログも、干支一廻りぶりの駒さんとの「機織り」なのかと、物思いに耽ります。

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というわけで、ねずさんの倭塾チャンネルで、岡田宮司の対談その2 では、神主の岡田宮司が「日蓮さん大好き」を熱烈に語っていらっしゃいます。↓ (ちなみに、とらさんは日蓮宗に護持されている七面山を崇敬していますが、法華信者ではありません、、、)


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