【2022年度】東京工業大学22B系所属調査結果
挨拶
皆さんこんにちは、東京工業大学に通うほってぃという者です。今回は令和5年度、つまり東工大でいう22Bの代の系所属結果が発表されたので、その結果を個人的に収集しデータとしてまとめました。
系所属とは
系所属の基本
まず系所属とは何かについて簡単に説明したいと思います。系所属とは一部の例外を除いて東工大に通う学生が学部1年生から学部2年生に進級する際に自分が所属する学院のいずれかの系に所属することを言います。詳細な説明が必要な場合は東工大の掲載している学修案内に飛んで下さい。
系所属点
しかしここで全ての人が希望通りの系に進めるとは限りません。系所属では基本的に所属する学院内の系を志望することとなりますが、人気の系の場合は定員を超える志望者がいるので志望者間で系所属点が高い人から順に系に内定していきます。
系所属点は点数の高い方から順にとった必修科目17単位と必修を含むそれ以外の14単位のそれぞれの合計31単位の3100点満点で決定します。詳しい説明については東工大の学修案内を参照して下さい。
よって系所属点が足りないと自分が希望する系に所属することができません。参考までに以下に東工大が掲載している学院と系の関係を表す図を載せます。基本的に皆さんは学院内のいずれかの系に所属することとなります。
学院外の系を志望する場合
では学院外の系を志望することは可能でしょうか。答えはYesです。転学院、通称”転院”と呼ばれる制度があります。転院は自分の所属している学院外の系を1つだけ選択し、その系を志望することができる制度です。(第2志望以降は自分の所属している学院内の系を志望)ただし転院は2つの壁があります。まず自分の所属する学院内が定める「学院外に脱出できる上限人数」の中に入れるような系所属点を取らなければなりません。そして「自分の志望する学院外の系」を志望する他の学院から脱出してきた人とも系所属点で勝負することとなるため高い系所属点が必要であるという壁があります。具体的にどれくらいの点数が必要なのかは以下の項目で示していくこととします。
アンケートの概要
ではここから実際にアンケートで答えてもらった内容を載せていきたいと思います。ここに載っているデータは全てGoogle formの匿名型アンケートなので信憑生が100%担保されているとは限りません。私も系所属点の総得点分布表や系所属結果と照らし合わせてデータを照合したつもりですが、万が一データに不備がある場合もないわけではないのでそこはご了承下さい。入力内容に著しい誤りがあるデータは除外しました。サンプルが少ないデータに関しては十分なファクトとなり得ない場合が多いので注意して下さい。また本データを悪用することは絶対にやめて下さい。
調査内容
以下の内容をgoogle formで調査しました。
参加者数:188人(理:46,工:57,物:32,情:25,生:14,環:14)
対象者:令和5年度に系所属資格を有しており、系所属本登録を行なった者。
実施方法:ほってぃが作成したGoogle formをTwitter上で拡散、またLINEの学年オープンチャットや学院のLINEグループ等にリンクを貼り付けてもらった。(物、情、環で実施)
実施期間:2023/03/29~2023/04/01
質問内容:以下の内容を質問した。
系所属前に所属していた学院
志望した全ての系と決定した系
志望順を決定した期間
予備調査と本調査で志望順を変更したか
系所属点、入学時の共通テストの点数、二次試験の点数
合格した入学方式
来年度以降系所属する人に伝えたいこと
各系のボーダー
以下に示した表が各系の大まかなボーダーです。ここで注意していただきたいことはあくまでこの数値の間にボーダーがあるということまでしか分からないということです。空欄は該当データが集められなかったことを表しています。(アンケート)
このデータから以下のことが推定できます。(追記:生命から機械×:2870)
数学系の学院内ボーダーはおよそ2800
システム制御系の学院内ボーダーは2700〜2820
電気電子系の学院内ボーダーは2550〜2600
情報通信系の学院内ボーダーは2700〜2760
経営工学系の学院内ボーダーはおよそ2650
材料系の学院内ボーダーは2530〜2610
情報工学系の学院内ボーダーはおよそ2730
電気電子系の学院外ボーダーはおよそ2880
数理・計算科学系の学院外ボーダーは2997
情報理工学院への転院は2930点近くあっても転院できない
こちらは学院外に系所属した人の点数の順位表です。これによって各系の人がどれくらいの点数を取っているのかが参考になります。(アンケート)
さらに学院別での転院最低点(アンケート内での最低点)を載せます。(アンケート)このデータからはこの点数を取っていたら学院外へ脱出することができたということがわかります。
各学院で実際に所属した系
次の表は各学院でどの系に何人が属したかを表した表です。こちらはアンケートではなく東工大の教務課から送られてきた系所属結果のURL先のデータから作成しました。(このURLは実際に系所属した人のみに送付されました。)よって系所属資格を持ち実際に系所属した全ての東工大生のデータが載っています。先に説明しておきますと、学院外人数は実際に学院外からきた人数、受入可能人数はその系に所属することができる上限人数、学院外受入上限人数は学院外から入ることができる最大数を表しています。(見づらいと思うので拡大して見ることを推奨します。)
さらにこちらは学院外に脱出した人数を表している表です。これも系所属結果の表から作成しました。
このデータと先ほど挙げたボーダーのデータを合わせることによって以下のことが分かります。
学院内で所属争いがあったと推定される系は数学系、物理学系、システム制御系、電気電子系、情報通信系、経営工学系、材料系、情報工学系
学院外人数と学院外受入上限人数が一致している系は物理学系、電気電子系、情報通信系、経営工学系、数理計算科学系、情報工学系、融合理工学系
生命理工学院から転院した人は上限の15人いた
化学系、地球惑星科学系、機械系、応用化学系、数理計算科学系、生命理工学系、建築学系、土木・環境工学系、融合理工学系へ学院内から進む場合はボーダーフリー
ここから、学院内で所属争いがあったと推定される系についてはある程度の系所属点を稼がなければならず、また生命理工学院から転院することが出来なかった人で機械系の人が2870点であることを踏まえると、生命理工学院から転院する場合は今年は最低でも2870〜2880点必要だということが言えます。その他の学院については所属学院からの脱出はボーダーフリーです。
学院別の志望順位と決定した学院
次に学院別での各系の志望順位と決定した系を調べました。(アンケート)
理学院
工学院
物質理工学院
情報理工学院
生命理工学院
環境・社会理工学院
志望順位の変化
予備調査と本調査で志望順位が変化した場合は該当する志望順位にチェックマークを入れるという形で調査を行いました。(理:46,工:57,物:32,情:25,生:14,環:14)(アンケート)
予備調査から本調査で志望順位を変更していない人の方が多いことが分かります。
志望順を決定した時期
面白いことに、理学院、生命理工学院、環境・社会理工学院は大学入学前に志望順を決定した人が多数であり、それに対し工学院は予備調査締め切り前から本調査締め切り前に志望順を決定した人が多数であるという結果が得られました。
入試と系所属点の関係
以下では入学形式と系所属点、また入学成績と系所属点の相関関係について調べました。
入試形式と系所属点の関係
大体2800〜2850がボリューム層と考えられます。やはり今年の系所属点がここ数年で高いことが窺えます。総合型選抜と学校推薦型選抜のサンプルは少ないので参考程度にして下さい。
共通テストと系所属点の関係
相関係数は0.2912でした。0.20〜0.40の場合は弱い相関があると言えます。よって一概に共通テストと系所属点に相関関係がないとは言えないようです。
一般選抜(前期試験)と系所属点の関係
相関係数は0.2725でした。こちらも弱い相関が認められます。
各科目ごとの系所属との関係
以下では一般選抜の各科目と系所属の相関関係を調べました。
数学の点数と系所属点の関係
相関係数は0.0881
英語の点数と系所属点の関係
相関係数は0.1111
物理の点数と系所属点の関係
相関係数は0.2059
化学の点数と系所属点の関係
相関係数は0.2742
来年度以降系所属する人へのメッセージ
回答して下さった方のメッセージを掲載します。参考になるものもあるのでぜひ読んでみて下さい。
最後に
最後に私から軽くまとめさせていただきます。系所属は特に必修17科目でどれだけ無難な点数を確保できるかが鍵となってきます。なので必修科目の多い前期から必修科目はしっかりと勉強しておくことをお勧めします。また入試の時と違い、学院内の系については全て志望順位をつけることとなるので、万が一点数的に心配だとしても自分が行きたい系を第1志望にして出すべきです。さらにこれは私が転院したので言えることですが、転院勢については(特に工学院に転院したい人)どの系に自分の系所属点で行くことができるかの読みが大事になってきます。ほってぃは情報理工学院から工学院のシステム制御系に行きたかったわけですが、予備調査の段階では同じ系を志望する転院勢が9人いたのでどうなるか不安でした。しかし実際にシステム制御系に進んだのは3人でしたのでラッキーでした。それでも2900点近く必要でしたが…
ほってぃの場合は系所属総得点分布表が出たあたりから本登録まで転院勢の読み合いに参戦しました。具体的には「〇〇点の人は〇〇系に出すよ」といった情報を転院勢と交換していました。これによってその系に進みたい人の大まかな人数を把握することができます。
よって転院勢の方々は特にですが、情報収集については怠らないようにしたほうが良いです。
また、年によって系所属の志望の動向が変わってくるのでもちろん今回のデータが絶対というわけではありません。臨機応変に対応できるようにしましょう。追加で分かった情報があれば今後noteに追記しようと思うのでその時はよろしくお願いします。何か質問等がある方はほってぃのTwitterまでお願いします。
参考資料
学科所属・系所属のための学科・系案内
令和5年系所属予備調査結果
令和5年系所属 総得点分布表
令和5年年度 系所属 決定系一覧
系所属のための系案内 総説
また、以下にt2phageさんの記事を紹介しときます。転院志望の方をはじめ英語の単位認定についても書かれているので参考になると思います。https://note.com/t2phage111/n/n23a3b604efdd