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⭐20) 不思議なお店の、不思議な・・


  箒ひとつ
   奏でる音は
     風と吹き
  大空彼方へ
             舞い上がる
       





手のひらの中に、
自然そのものがあるような。


持ち手の握り具合もシックリ。

穂先の角度、広がり具合も使いやすい。


創作箒。素材から畑で手作り!


そして・・
みっちりと作りこまれているのにもかかわらず、
羽のように軽い・・・!

掃くたびに

丁度良い゙しなり゙の手応えと
"ザッザッ"という音が
なんとも快適!

おや、ほのかに、青っぽい、ひなたのような薫りも・・。


この箒を手に入れてから、

掃除苦手な私が、
意味もなく、
やたら掃きまくったりして。

なんだかわからないけど、

昔なつかしい、というより
むしろ
なにかしら

「『祓い浄める』ための神聖なお道具」
というような感じすらするのは
なんでかな。

一緒に購入したミニサイズ箒

よく「守り刀」ってあるけれども、
それにならって言うなら

「守り箒」    

とでもいうような・・。



☀️  ☀️   🌞

そもそもは、
夏空の広がる休日。

通りがかった
駅前広場の手作り市に
ズラッと並んだお店のテント。


ふとこの箒屋さんのテント前で足が止まったのも

イベントでごった返している会場の中、
なんだかここだけ、

静かなような、
清らかなような、

不思議な空気を感じたからだった。


テントの下では
店主らしき  
年齢不詳の男性が

瞑想しているかのように
ただ静かに座っていた。

私は
この不思議に静かな店先に
引き寄せられるように近づくと、

端正に並べられた
幾種類かの
手作りの箒たちをじっと眺めたのち、
そのうちのひとつを
そっと手にして、
陽にかざしてみた。


ふと、 それが、
今やすっかり汚れがたまってしまっている自分の部屋を
掃き浄めるきっかけの風を、

サーッと吹かせてくれるような気が、した。

種から育てているという、
この箒の原料の草、

一面に生い茂ったその草の原を
ザワザワと揺らせて吹きすぎていく風の力が

伝わってきたのかもしれなかった。

安くて便利な合成の品に比べれば、やや値段は上だったが、
この品質と、かかった手間、
そして得られるであろう効果を想像すると
決して高額ではない、
と思った。


箒のお代を、
店主は受け取りながら、
ふわりと言った。

~ 「 風が、吹いてきましたね。 」


言われてみれば、
いつの間にか

うっかりすると渡したお札が飛んでしまいそうなくらい
強めの風が、吹きはじめていた。

「そうですね。」

と私は答えながら、
ふと、店主と目が合った。

この箒の作り手である、
店主のまなざしを見た瞬間、
ハッ、とさせられた。


日焼けした顔の中で

その瞳は、

まるで吹き抜ける風そのもののように

あまりにも、

明るく
     澄みきっていた・・ 。


     🌤️       🌥️       ☁️          ☁️


こうして手に入れた
天然素材の箒は、

掃くたびに

ザッザッという風のような音をたて、


太陽の薫りと
この不思議な夏の思い出とを
 
今も かき立ててやまない。


だが、
それにもまして
不思議なのは

そうして
想いに浸りながらも、

何故か、
手はリズミカルに、
止まることなく

ただひたすらに
掃きつづけ・・・


やがて
箒の奏でる、その
風のような音と
おのが心はひとつになり


いつしか、
    ふ わ り  、 と

すべてを忘れたように

  大空へと
  
       解き放たれて ゆくのだった。

 



☁️  🌏     ☁️ ☁️    🌥️



・・・どうやら この箒、
       
   心までも、  掃除してくれるものなのか。




    
                   
                       😼 🍃


*この記事を書いた後、
箒を購入した際に頂いたカードに、「蓮恩」と書いてあったことを思い出し、検索してみたところ・・
なんと!
ズバリ、「お守り箒」を創っていらっしゃいました!!

言葉にせずとも、作品からダイレクトにその性質が伝わってくるって、ホンマもんやな~~と
思いました!


蓮恩さんブログ