ビジュアル系バンドマンが書く「ホッとする」ノート:仕事はバンドである
このnoteは、2019年4月23日に配信した「ホットリンクのメルマガ」のバックナンバーです。メルマガ講読フォームはこちらhttps://service.hottolink.co.jp/mailmag/
こんにちは。ホットリンクのインサイドセールス担当、堤(@hotto_mihiro)です。
前回配信した「ビジュアル系バンドマンが書くホッとするメルマガ:イチロー選手の会見を見て」が、好意的な反響をいただき、本当に有難うございました。
そこから感じた事を今回は書きます。
私は13年間、ビジュアル系バンドのギタリストとして生き、その後にビジネスマンへ転向しました。
その13年間はビジネスの世界においては、自分のウィークポイントだと思っていました。
音楽以外のスキルがない、知識がない、常識がない・・・
実際にそういった扱いを受ける事もありました。
アウトローな生き方をしてきたツケだと思い、経歴もオープンにはしていませんでした。
しかしホットリンクに入社し、考えが180度変わりました。
私の13年間は唯一無二の個性だと受け入れてくれるメンバー。
更には「もっと前面に押し出そうよ!」と背中を押された結果、メルマガでバンドマン時代のエピソードを配信しました。
すると中には、内容にインスパイアされ、共感してくれる方がいました。
自分の経験はビジネスの世界にも響くのかと、とても嬉しく感じました。
前回、世界に誇るギタリストであるMIYAVIさんの
ローディー(付き人のような仕事)をやっていたエピソードを書きましたが、今回はその経緯を書きます。
18才の頃、地元でバンドをやっていた私は、素人ながらに「ここにいてもダメだな・・」と感じていました。理由は
・バンド活動より、恋愛やアルバイト、就職活動を優先する
・地元から出ない
・売れているバンドを批評し悪口を言う
みんな口では「プロになろう!」と言いましたが、行動から感じられなかった。
売れているバンドなんて、どう考えても自分達よりは凄いだろ・・・と思っていました。
(もっと本気な人達とバンドを組みたい・・東京に行けばいるはず・・でも何のツテもない・・)
そんな時に、憧れのバンドマンのインタビュー記事で「昔ローディーをやっていた」という話を目にしました。
(ローディーって何だ・・?やれば憧れの世界に近づけそうだ・・よし、やろう!)
直感的にローディーをやる事に決めました。
やるならカッコいいギタリストがいるバンドに付きたい。
真っ先に思い浮かんだのは、当時MIYAVIさんが在籍していたビジュアル系バンド、Dué le quartzでした。
しかしDué le quartzは当時、インディーズシーンのトップの人気バンド。
ただの田舎バンドマンの私は、もちろん何の接点もありません。
私はDué le quartzのファンだったので、CDや、チラシ等もグッズのように集めていました。
そのチラシの隅に小さく「ローディー募集中。条件:要普通免許、体力のある方」と書いてありました。
(こ、これだっっっ!!!!!!!!!!!)
早速、問い合わせ先に電話しました。
今思えば恥ずかしいのですが、普通免許とはもちろん車の運転免許の事です。
しかし私は何を勘違いしたのか、ローディーには免許が必要なのかと思い、電話口の方へ「ローディーの免許は持っていないけどやる気はあります!!」と真剣に伝えました。(ちなみに車の免許も持っていませんでしたが・・)
すると、こう言われました。
「とにかく書類審査をしますので、履歴書を送って下さい。合格の場合は連絡します。2週間で連絡がない場合は諦めて下さい」
早速、履歴書にありったけの熱意を書き、そこにも「ローディーの免許は持っていないけどやる気はあります!!」と書き殴り、送付しました。
2週間経ち、連絡はありません・・・。
(会ってもないのになんでだよ・・?やっぱ免許か・・!?)
私はもう一度電話をし、真剣にこう伝えました。
「何故ダメだったんですか!?ローディーの免許ってどうやって取るんですか!?」
そこで、車の免許だと説明されました。
「えっ・・?」
そして、次回のライブ時に会場に来て欲しい、会いたいと言われました。
「えっ・・?」
(車の免許持ってないんだけど・・・まぁ、いいか)
後から分かった事ですが、「もう一度連絡してくるか?」こそが本当の審査だったのです。
ローディーは、日々の練習スタジオから全国ツアー、レコーディング、あらゆる活動に同行する為、私生活を犠牲にする覚悟がないと続けられません。
覚悟があるかを試す審査であり、車の免許は持っていなくてもなんとかなりました。
ライブ当日、会場に行くと中に通され、メンバーやスタッフと対面。特に面接もなく「今日からよろしく!!」とすごく気さくな方達。
(あ、憧れのDué le quartzと話してる?え、なにこれ・・?)
早速現場で動き、ライブは無事終了。しかし会場から家が遠かった私は終電がなく帰れませんでした。
するとMIYAVIさんにこう言われました。
「うち泊まれば?いつでも来てええよ!」
「えっ・・?ええーーーーーーーーー!?」
その日から約1年間ローディーを続け、ギタリストとして多くの事を学びました。
そこで出会ったギラついた人達とバンドを組み、協力してくれるスタッフもたくさんできました。
自分のバンドをスタートさせると、Dué le quartzのファンもライブに駆けつけてくれました。地元での活動とは全くの別世界でした。
道を切り拓く事ができたのは「できないけどやってやる」と行動した事。
実際、できない理由は2つありました。
・募集条件にある免許を持っていなかった(色々勘違いはありましたが・・)
・言われた通りの審査には落ちた
それでも、行動すれば結果は変えられる。
その後も「できないけどやってやる」という局面は多々ありました。
やってみると、なんとかできたり、できなくても周りが助けてくれたり、挫折から何かを学んだり、とにかく先には進めました。
ビジネスにおいても通ずるところはあると思います。
正直、バンドマン時代の精神を数年間忘れていました。それは「社会に適合しない」くらいに思っていました。
今は、ホットリンクの少数精鋭なチームの中で、ある意味バンドのような面白い事ができると感じています。
仕事をするなら「ホット」してやりたい。バンドと同じ。
終わったと思っていた夢は続いているのだと、今は本当に思っています。
ゴールデンウィーク前のお忙しい時期かと思いますが、最後まで読んでいただき、有難うございました!
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