エミーナの朝(9)
ナゴンの恋人 3
夢中で二人で準備が終わった頃、玄関のチャイムが鳴った。
ナゴンが走っていってドアを開ける。
立っていた。
夫の父、義父が立っていた。やっとナゴンの話が信じられた。
義父は若く見えた。というか若作りしていた。
ナゴンが引き入れて、三人はティーテーブルを囲んで腰かけた。
義父は照れくさそうに、「エミーナさん、久しぶりだね。ナゴンさんから聞いているよ。もう少しここに様子見に訪ねてきたらよかったね。」
ナゴン「そうよ。夫が亡くなったお嫁さんをほったらかしにして、どうしょうもないったらありゃしない」
エミーナ「あ、ナーチン、いいのよ。お父様には、あの人が闘病中は苦労をおかけしたんだから。
お父様には、本当にお世話になりました」
わたしは義父に頭を下げた。
ナゴン「でも、これでわかったでしょ。私が駅で話していた人が誰か」
たしかに、夫と義父は背の高さは同じぐらいで、歩き方もよく似ていた。特に後ろ姿はそっくりである。
病院でも、夫が病室から出てきて歩いているんじゃないかと、後ろ姿を見て驚いたことがあった。
これで納得したが、新たな疑問を聞いてみた。
エミーナ「だけど、ナーチン、あなたのお相手が、どうしてお父様なの?」