シニアが教える:PoCにまつわる誤解と成功感を得るためのポイント
どうも、駆け出しシニアライフのHot3DegC(ホットサンド)です。
Proof of Concept(PoC)に関する私の現場での経験や所感を共有したいと思います。
PoCとは何か?
まず、PoCとは何かについて整理しておきましょう。
PoCは「Proof of Concept」の略で、日本語では「概念実証」と訳されます。
簡単に言えば、アイデアや技術の実現性を検証するためのプロセスです。
PoCの目的は、そのアイデアや技術が実際に機能するかどうかを確認することであり、必ずしも成功や失敗を評価するものではありません。
PoCに失敗はない?
よくPoCに失敗したという記事を見かけますが、そもそもPoCは単なる実現性の検証なので、「失敗」はありえません。
しかし、PoCをプロダクト開発や業務改善、DX事業と混同している人が多いために、成功や失敗として評価されてしまうことが多いのです。
PoCは必ずしも必要ではない
また、PoCは必ずしも必要なものではありません。
既知の技術やサービス、アプリケーション、システムの導入に関して言えば、その導入後の未来が比較的想定しやすいです。
この場合、PoCを実施する必要はありません。
PoCは実施するかしないか導入するかしないかの判断であり、成功や失敗の問題ではないのです。
成功感を得るためのポイント
とはいえ、PoCを実施した後に成功感を得るためには、いくつかのポイントがあります。
ここでは、成功感を得るために必要な目的の定義とノックダウンファクターの定義についてお話しします。
1. 目的の定義
PoCを実施する際には、まずその目的を明確に定義することが重要です。
何を検証したいのか、どのような結果を期待しているのかを明確にすることで、検証の進め方が明確になります。
目的が曖昧なままでは、PoCの結果が不明確になり、成功感を得ることが難しくなります。
2. ノックダウンファクターの定義
次に、ノックダウンファクターを定義することが重要です。
ノックダウンファクターとは、プロジェクトの進行を大きく左右する要因のことです。
これを明確にすることで、PoCの結果を評価する際の基準が定まります。
たとえば、
「システムの応答速度が一定以下であること」、
「ユーザーの操作性が高いこと」、
「教育コストが低いこと」
などの絶対に実現したい要因となります。
3. 検証したいことや評価基準の明確化
PoCを成功と感じるためには、検証したいことや評価基準をしっかりと定義することが大切です。
仮に期待する結果が得られなかったとしても、それは失敗ではなく、検証によって未来のリスク回避の根拠が得られた実績なのです。
PoC実施後の最適な支援者選定
また、PoC実施関係者(システムベンダー)が継続して本導入を担当すると思い込みがちですが、これは必ずしも望ましいとは限りません。
PoCの結果をもとに最適な支援者や支援企業を再選定することが重要です。
1)PoC支援に求められる能力
PoCでは、小さなプロダクトをスピード感を持って実現する能力が重要です。
この能力を持つ支援者を選定することで、迅速に結果を得ることができます。
2)導入・開発期に求められる能力
PoCの結果をもとに、全体を俯瞰して完成度の高い結果を得る能力も重要です。
この能力を持つ支援者を選定することで、プロジェクト全体の品質を高めることができます。
技術・経験も大事ですが、より多くの人員が必要となるため安定した要員を導入できる組織力も必要です。
3)導入後の業務適応・運用維持する能力
最後に、できあがったシステムや業務を実践に適応させる能力も重要です。
この能力を持つ支援者を選定することで、実際の運用においてスムーズに移行できます。
高い総合力が求められるのですが、導入・運用期まで支援できる、または支援を想定している企業は多くありません。
まとめ
PoCとは、単なる実現性の検証であり、成功や失敗の評価は本来の目的ではありません。
PoCを実施するかしないかの判断は、導入後の未来が想定しやすい場合には不要です。
しかし、PoCを実施する際には、目的の定義やノックダウンファクターの定義などを明確にすることで、成功感を得ることができます。
また、PoC実施後の支援者選定においても、最適な支援者を選定することが重要です。
私の経験が少しでも皆さんのDX推進の参考になれば幸いです。
共に学び、成長し続けましょう。ありがとうございました。
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