BIRDYのデキャンタで熱燗
本来ワインをデキャンタージュするために使用するデキャンタですが、これを日本酒に使ってみました。さらにいうとこのデキャンタで熱燗も作ってみました。その結果がとても良かったのでご紹介します。
BIRDYのデキャンタ
まずはBIRDYステンレスデキャンタのご紹介です。
以下はBIRDYのオンラインショップからの転載です。
BIRDYのデキャンタはステンレス製で、ガラス製と比べて45%空気が多く溶け込むようです。
右に回すか、左に回すかでも味わいに変化が起きるとのことです。
一体どんな味の変化があるのか楽しみですね。
冷酒で試す
まずは冷酒でどんな味わいになるか試してみました。
当店ではワイングラスで提供しているのでこちらの3パターンで試してみました。
1. 通常通りワイングラスに注いでスワリングしたもの
2. 右回しで回してワイングラスに注いだもの
3. 左回しで回してワイングラスに注いだもの
回す回数は20回で行いました。
回すことによってお酒に空気が含まれてマイルドな味わいになりました。
味わいの変化度合いの観点からいうと
1. < 2. <3.
の順番で味の変化が大きかったです。
2. はほんとに1. と 3. の中間くらいの変化でした。
1. の要素と2. の要素がどちらも感じ取れる変化でした。
3. はしっかりとわかるくらい変化がありました。
個人的な感覚で言うとダントツで左回しのタイプが美味しいと感じました。
味わいとしては、アルコールのツンツンした部分がなくなってとても滑らかなテクスチャーになり、とてもマイルドな味わいになりました。
引っかかる部分がない、角が取れて丸い味わいになったというような感覚です。
味の変化というよりは、味そのものが変化したわけではなくて空気が含まれたことによってマイルドになったという方が正しいかもしれません。
回す回数は個人差があるので何回がベスト!というのは人それぞれだと思います。説明の通り1〜3回がいいかもしれません。
今回は何度か試してみましたが、20回くらいが変化の上限のような気がしていて変化を存分に感じたいので20回で行いました。
回す回数と味の変化については1~3回、10回、20回の3パターンくらいがあって日本酒の味わいや好みに合わせて使い分けるのが良さそうな印象です。
熱燗で試す
65度
次に熱燗で試してみます。
通常ちろりを使って65度くらいまで温めるお酒で試してみました。
回す回数は全て「左まわし20回」で行いました。熱燗の場合だと20回以下だと変化が少ないので違いが出ないだろうと思ったからです。
回した後はそのままデキャンタのままでいつも通り65度まで温めてみました。
結果は「ちろりの方がいい!」です
空気を含んでいる感は無くなっていて単純にステンレスで温めたのと変わらない状態になってしまいました。
40度
次に40度くらいまでしか温めないお酒で試してみました。
回す回数は他と同様に「左まわし20回」です。
今回もデキャンタのまま、40度まで温めます。
結果は「これはうまい!」です
これまで40度くらいまでした温めないお酒はビーカー(ガラス製)で温めていました。
熱伝導率が悪いのでゆっくり温めることができるためアルコール臭が立たないように仕上げることができるからです。
ただ、今回のデキャンタの方がマイルドに仕上がりました。
デキャンタージュにより空気を含ませて味わいがマイルドになる方が、ビーカー(ガラス製)でゆっくりと仕上げるよりもマイルドに仕上がったのです。
これは良い発見でした。
40度くらいだと空気を含ませることによってステンレスでも急激な温度変化によるアルコール臭があまり立たないことがわかりました。
50度
次にデキャンタージュでお酒に空気を含ませる効果を活かしつつ最高何度まで上げることができるかを試してみました。
結果は「50度くらいまで」でした。
それ以上温度を上げるとステンレス製のちろりを使うのとあまり変わらない状態になりました。
50度くらいまでだと、お酒に空気を含んでマイルドになる効果を感じことができることがわかりました。
50度くらいまで上げる時はデキャンタだと急激に温度が上がることによりアルコール臭が若干立ってしまいました。
もっと良い方法として、デキャンタージュした後にビーカー(ガラス)に移し替えて温めるとデキャンタの効果とビーカー(ガラス)の効果を両方得られることができるのでこちらがおすすめかもしれません。
まとめ
今回色々試してみて、冷酒から50度までという想像以上に広い温度帯でBIRDYのデキャンタが役に立つことがわかりました。
これまでは錫、銅、ビーカー(ガラス)を使ってきましたが、これからはデキャンタもしっかりと使っていきます!
良い熱燗ライフを