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この夏、コロナで急増!大学の親子向けオンラインプログラムは、可能性もメリットもいっぱいで素晴らしい。
大学の夏の風物詩といえば、オープンキャンパス!と思われがちですが、親子をターゲットにした一般向けイベントもこの時期にたくさん開催されています。今年は、オープンキャンパスのメイン会場が、リアルからオンラインに移ったように、親子向けイベントもオンラインでの開催が目立っています。親子向けのイベントを、オンラインで開催すること自体がはじめてという大学も多いようなのですが、これ、実に魅力的です。
工夫がいっぱい親子向けオンラインプログラム
まずは、オンラインでの親子向けイベントとはどういうものかがわかるように、いくつかピックアップしてみました。下に挙げたもの以外にも、いくつかのぞいてみたのですが、Zoom等を使ったオンラインイベントと、YouTube等を使ったオンデマンド配信の2タイプが中心なようです。
とくに目を引いたのは、北見工業大学の「おもしろ科学実験オンデマンド」。子供に興味を持ってもらえるように、動画のなかにちょっとした小芝居を盛り込んだり、要点を子供が自分でまとめるための資料をダウンロードできるようにしていたり、細かい工夫が見られました。一般向けの講演会等の動画は、スライドと講演風景を流すだけになりがちなのですが、これとはぜんぜん違うものです。
また、「愛媛大学ミュージアムのweb昆虫展」もステキでした。サイトをクリックするまでは、デジタルアーカイブのようなものを公開しているのかなと思っていたのですが、そうではなくて、一つひとつの展示(テーマ?)について、動画で1~3分程度の解説がされていました。
子供をメインターゲットにしている企画なので、長すぎる説明は聞いてもらえないような気がするし、かといってデジタル資料を並べるだけでは、それはそれで退屈してしまう。とてもいいバランスで情報を伝えているように感じました。
ちなみに、大学等のデジタルアーカイブの魅力を伝える企画を、「ほとんど0円大学」で連載しているのですが、これはこれで奥が深い世界です。子供が楽しむのに適しているかというと、ちょっと難しいかもしれないのですが、見応えのあるコンテンツなので、ぜひ興味のある方はご覧になってください。
オンライン化と相性のいい親子向けイベント
オープンキャンパスの場合、オンラインになったことで、受験生に魅力が十分に伝わらないのでは?とか、参加者の志望度が読めなくなった……など、悩みを耳にすることがよくあります。これは、オープンキャンパスへの参加がゴールなのではなく、その先にある受験→入学がゴールだからこその悩みだといえます。
でも、親子向け(一般向けもそうですが)イベントは、イベントに参加してもらい満足してもらうことで目的を達成できます。そして、できることなら、できるだけ多くの人に、できるだけ高い満足度を与えたいというのが願いでしょう。そう考えたときに、満足度を高めるという点では、リアルに一歩遅れをとってしまうことがあるかもしれませんが、多くの人に伝えたり、参加してもらったりするという意味では、オンラインはリアルの何歩も先をいっています。
夏に比較的たくさん開催されるとはいえ、大学の親子向けイベントというのは、その絶対数は多くありません。首都圏や関西圏といった、大学が密集しているエリアに住んでいるのであれば、前もって情報収集しておけば、よい感じのイベントを見つけることができるでしょう。でも、地方の場合、大学の数自体が少なく、イベントを開催する大学になると、さらに限られていきます。こういう状況を考えると、場所に縛られずに大学の学問や研究成果に触れられるオンラインプログラムは、非常に意味があります。加えて、オンラインで実施するとプログラムを動画等のコンテンツとして残しやすく、内容によっては期間を限定せずに公開することが可能です。会場のキャパを気になくていいというのもメリットです。おまけに、今年は旅行や里帰りができず、ひまを持てあましている子供が多くいそうなのも、追い風なのではないでしょうか。
オンライン化=なんか残念といった雰囲気が、世にあるように感じるのですが、そうではないものもあるわけで、親子向けのイベントに関しては、総合的にみるとメリットの方が多いように思います。もちろん、オンライン化するために、普段よりも大変な思いをしている人たちがいるわけで、そこには、ありがとう&ごくろうさま、という気持ちでいっぱいです。とはいえ、今回のような出来事がなければ、親子向けのイベントをオンライン化しようという動きは、なかなか出てこなかったと思います。ぜひ前向きにとらえて、来年以降もこういった取り組みが増えてくるとうれしいです。