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大学がやるべきSDGsとは何なのか?「自然エネルギー大学リーグ」から考える、大学にふさわしいSDGsの取り組み方。

さまざまな研究活動が行われ、半公共的な立場にある大学とSDGsは相性がいいのでしょう。多くの大学でSDGsを冠した活動が取り組まれています。今回、見つけたものも、そんな大学によるSDGs関連の活動の一つ。こういうアプローチもあるんだと驚かされました。

今回、見つけたのは「自然エネルギー大学リーグ」。6月に発足したようで、上に貼った聖心女子大学のプレスリリースで知りました。「自然エネルギー大学リーグ」は、同大学を入れた9大学が加盟するネットワークで、大学における自然エネルギーの活用促進と、その取り組みを推進する人材育成を目的としています。ちなみに発起人は、千葉商科大学。この大学は以前よりSDGsに力を入れており、「日本初の自然エネルギー100%大学」としても有名です。

このリーグの面白いのは、いち大学ではなく、広く横のつながりで取り組んでいること。そして、セミナー開催などの情報発信・共有だけでなく、教育プログラムの研究という、より実践的な活動も主な活動に掲げていることです。

SDGsは17ゴール・169ターゲットという多くの目標が設定されているため、いろいろな取り組みをSDGsの観点で分類、表現することができます。大学は、多種多様な研究活動が営まれているものの、なかには内容がわかりにくいものもあります。SDGsを“タグ”にすることで、研究に興味を持ってもらえるきっかけになるし、研究内容を伝えるうえでの道標にもなります。また、大学は多くの識者が集まる場でもあるので、SDGsと関連づけたセミナーやシンポジウムを開催するところも少なくありません。

このようなSDGsの視点での情報発信・共有は大事なことなのですが、意地の悪い見方をすると、これら活動は何も生み出していない、ともいえます。これまでにあったものを整理して伝えているだけです。それが悪いかというと、まったくそういうことはなく、研究を知るきっかけにもなるし、SDGsへの理解を深めるきっかけにもなります。ただ、なんでしょうか。これだけだともったないというか、大学のポテンシャルなら、もっとやれることがあるはず、と思ってしまうのです。

その、もっとやれること、の最たるものが教育です。大学は研究機関であるとともに、多くの学生が通う教育機関です。大学で学んだ人が、SDGsへの理解や実践方法を身につけて世に出ていけば、新しい活動を生み出せるかもしれません。もっといえば、在学中に何かしらをはじめることだって十分あり得ます。…いやいや、SDGsの実践活動に集中できるのは、働きはじめたあとより学生のときですよね。学生こそが活動の真の担い手と言えるのかもしれません。こういうことを考えていくと、複数大学が関わる「自然エネルギー大学リーグ」が、主な活動内容の一つに「教育プログラムの研究」を掲げているのは、わかっている、という感じがします。

今回、やもすれば、大学は情報発信にばっかりSDGsを利用してるみたいに取られそうな書き方をしてしまいましたが、教育や学生たちの活動を通じてSDGsを実践している大学がたくさんあることは知っています。とはいえ、情報発信は、情報を発信しているだけあってよく目につくわけで、大学のSDGsといえば情報発信での活用というイメージが、個人的にかもしれませんが、少しあったりします。

大学というポテンシャルの満ちあふれた機関がSDGsを活用するのであれば、既存のものを整理、発信より、新しいものを生み出すためにこそ力を使って欲しい。そんなことを勝手に思ったりします。今回のリーグ発足が、そんな気運を高める契機になれば、ほんとに素晴らしいです。

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