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一人ひとりと向き合ったサポートは常に後手となる?東京家政学院大学の動画企画に感じる、学生支援の姿勢と神髄。
一人ひとりと向き合ったきめ細やかなサポートというのは、多くの大学が自大学の魅力として挙げる、いわば定番のアピールポイントです。ごく少数の大学が謳うのであれば、受験生の目にも留まるのでしょうが、多くの大学が言っているので、本当にそうであっても、なかなか説得力のある伝え方ができないところが歯がゆいところです。
今回、見つけた東京家政学院大学の取り組みは、具体的にサポート内容を伝えるものではないのですが、じんわりと面倒見のいい大学だと感じさせる取り組みです。以前、中央大学の取り組みを紹介したときにも書きましたが、結局サポートというのは、内容も大事だけど、それよりも大学としての姿勢や態度なんだと思います。
で、東京家政学院大学の取り組みですが、これは「2080分の1ストーリーズ」という動画による取り組みです。東京家政学院大学の入学定員が2080人で、その一人ひとりの人生を大切にするという意味で、こういったタイトルがつけられたようです。内容はというと、学長が学生と対談し、それをYouTubeで公開するというものです。
最初リリースのタイトルを読んだとき、学長が2080分間、語り尽くすのかと思っておののいたのですが、そうではありませんでした。でも、そこまでの無茶をするわけではありませんが、学長が体を張った企画であることには変わりありません。さらに初回の配信が6月1日(火)で、それ以降毎月1回程度配信予定とあるので、継続的な取り組みなようです。何かと忙しい学長の時間を、定期的に割くということからも、この取り組み対する本気度がうかがえます。
学長は大学の象徴であり、教員たちの代表ともいえる存在です。そんな学長が、学生ひとり一人と向き合って対話をする、そしてそれを社会に広く発信するというのは、大学の姿勢をわかりやすく表現した施策だといえます。さらにいうと、昨年からのコロナパンデミックによって、学生たちは思うように大学に通うことができず、学生のなかには大学に対して不信感を抱いている人もいるはずです。こういった状況で、学生たちと対話をすることはリスクがある反面、多くの学生たちを安心させる行為でもあります。
あくまで個人的に思っていることなのですが、サポートというと、準備を万全にしておき、相手が困った瞬間、もしくは困る前に、さっと手をさしのべるようなイメージがあります。でも本当に響くサポートは、相手の言葉に耳を傾けたうえで何かをすることであり、場合によっては単に相手の言葉にしっかりと耳を傾けることそれ自体ではないかと思うのです。そういう意味では、ある程度の準備はしていたとしても、一人ひとりに向き合ったサポートというのは、常に後手にならざるえないし、そうなってしかるべきだと思います。
相手の言葉に耳を傾ける、という行為ができてはじめて、その人に向けたサポートができる。東京家政学院大学の「2080分の1ストーリーズ」は、そういった大学としての聞く姿勢(=サポートに対する姿勢)をあらわした取り組みなように思います。大学側もそれを意識しているからこそ、リリースの前半で本取り組みとは直接的には関係のないサポートの強みや体制について言及したのではないでしょうか。とはいえ、まぁいろいろと書きましたが、まだ配信がはじまっていないので、リリースを読んだだけの感想でしかありません。でも、そんな気がしたのでした。