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自己紹介と、大好きな金属加工の世界について
私の仕事は特殊です。
特殊でない仕事なんて世の中にほとんどないでしょう、でも私はこの仕事の特殊さと専門性を愛している。
営業マンで外回りが大半ですが、扱うものが既製品ではなくオーダーメイドの金属部品です。
チョコプラが町工場を紹介する番組、見たことありますか?
もしなければぜひ一度見てみてほしい、あの番組には私が働く業界の素敵なところが詰まっています。
大抵の生産現場はいわゆる3K、キツイ・汚い・(命すら)危険のフルコンボ、でもそこから生み出される製品のどんなに精緻で強靭なことか。
ギャップ萌えとでも言いましょうか、安っぽいアピール文だなと思いながら、やっぱり魅力を語ろろうとするとそこに行き着きます。
無骨で、ボロボロのサビを吹き出しながら朽ちていく大きな鉄の塊、
でも一皮剥けばキラキラしたアクセサリーの元になる美しい面が現れます。
そのままの状態では決して硬くも強くもない金属原子の集合体にどうやって命を吹き込むか、
方法はメジャーなものだけで数百通りもあり、その上に職人の技量やこだわりが上乗せされ、
鉄はさまざまなものに姿を変えます。
私の仕事の核はこの加工の方法を選び、組み立て、プロデュースすること。
注文住宅や旅行の営業と違うのは、製品完成までのどの工程一つとっても、カタログから商品を選ぶように簡単にはいかないことです。
この仕事を始めてから、
道端のフェンスが、イヤリングの留め具が、飛行機の翼やロケットの骨格が、どのように作られたかの道筋を想像するようになりました。
文系出身で物理や化学は全くわからない、
でも小さい時から工作や手芸や絵を描くことは大好き、
そんな私が見つけた意外な天職への愛を
たくさんの人に知ってほしい。